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建設業界一丸で応急対応/国交省がTEC-FORCE派遣排水活動、被災状況調査/九州南部豪雨
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>4日未明から九州南部を襲った豪雨によって球磨川が氾濫した災害で、建設産業界が一丸となって応急対応に当たっている。熊本県建設業協会は、本支部の連携体制を整えながら被災地域の支部が応急復旧を進めているほか、建設コンサルタンツ協会九州支部も現地調査に入った。国土交通省のTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)も参集して調査に当たっている。7日以降も雨が続くとみられており、2次災害に警戒しながら懸命の作業が続いている。
政府は5日、熊本県など九州南部を襲った記録的な大雨の発生を受け、非常災害対策本部を設置した。安倍晋三首相は同日の第1回会合で、人命救助と安否不明者の捜索に全力で当たるとともに、被災地に対する物資のプッシュ型支援、被災自治体の人的支援、みなし仮設住宅の確保などを急ぐよう関係閣僚に指示した。国土交通省も非常災害対策本部を立ち上げ、TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)の派遣などに取り組んでいる。
政府は非常災害対策本部の設置に合わせて、被災者へのきめ細かな支援を実施するため、府省庁横断の被災者生活生業再建支援チームを設置した。被災地では、熊本県内16市町村と鹿児島県内4市町を対象に、両県が災害救助法の適用を決定した。同法の適用により、対象地域で避難所の設置など救助の実施主体が市町村から都道府県に移行した。
インフラの被害状況は、5日午後2時時点の国交省まとめによると、直轄区間の球磨川水系球磨川で約30mにわたって1カ所が決壊し、11カ所で越水・溢水(いっすい)が発生した。都道府県管理河川は、鹿児島県が管理する川内川水系の百次川と勝目川の計2カ所で決壊を確認。川内川水系山野川は1カ所で溢水が起きた。
ダムは、直轄が管理する6ダム(天竜川水系小渋ダム、天竜川水系新豊根ダム、肱川水系鹿野川ダム、渡川水系横瀬川ダム、川内川水系鶴田ダム、緑川水系緑川ダム)と、都道府県管理の32ダムで、洪水調節を実施した。事前放流は、長野県管理の信濃川水系奈良井ダムと、愛知県内にある2つの利水ダム(矢作川水系羽布ダム、豊川水系大島ダム)の3ダムで行った。土砂災害は38件(静岡県2件、熊本県30件、鹿児島県6件)で発生を確認している。
道路で被害があったのは、直轄国道が3号熊本県八代市~芦北町の1路線1区間、補助国道が静岡県、熊本県、鹿児島県、長野県、宮崎県の計4路線7区間となっている。
鉄道は、JR九州の肥薩線で球磨川第1橋梁と球磨川第2橋梁が流失するとともに、複数駅の線路が冠水した。肥薩おれんじ鉄道とくま川鉄道も、線路の冠水や土砂流入、橋梁流出などが確認されている。港湾は、重要港湾2港(熊本港、三角港)と地方港湾23港で被害なし。
国交省は、九州、四国、近畿の各整備局からTEC-FORCEを派遣し、隊員が現地で排水活動や被災状況の調査などに当たっている。
建設業団体の動きに目を向けると、日本建設業連合会(山内隆司会長)や全国建設業協会(奥村太加典会長)は災害対策本部などを立ち上げていないものの、日建連九州支部、熊本県建設業協会との情報共有に努め、動向を注視している。
残り50%掲載日: 2020年7月7日 | presented by 建設通信新聞