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  • 大林組が日本初/製造水素を多方面供給/大分に地熱発電実証プラント

     大林組は、大分地熱開発(大分市、中野勝志社長)の協力を得て、大分県九重町に水素製造プラントを併設した地熱発電の実証プラントを建設する。2021年7月の稼働開始を目指す。「地熱発電力で生み出す水素をさまざまな需要先に供給するプロセスを実証する日本初の試み」(同社)としている。

     

     地熱発電は、再生可能エネルギーの1つで、安定的な供給が可能な点が特長となっている。こうした再生可能エネルギーで生み出した電力を使って水を電気分解する「CO2フリー水素」を多方面で活用できれば、環境負荷の低減やエネルギー自給率の改善に貢献できる。ただ、地熱発電は発電可能な場所が山間部に多く、送電網の容量が足りなかったり、開発期間が長く固定価格買取制度(FIT)を適用するための商用電力系統の容量を確保できなかったりする課題がある。

     

     今回のプロジェクトでは、地熱発電電力で製造した水素を工場などに陸送するスキームを実証し、国内の地熱発電の候補地選定、調査、発電所建設、電力を使った水素の製造・供給といった事業化プロセスを検討する。実証には、地熱発電が盛んなニュージーランドで取り組んでいる「地熱発電電力によるCO2フリー水素のサプライチェーン構築のための社会実装研究」の知見も生かす。

     

     プラント建設では、バイナリー発電機を使った地熱発電実証プラントの設計、建設、性能検証を実施する。地熱発電電力を使った水素製造実証プラントには、「水素最大製造」「水素製造単価最安」「グリーン電力優先(地熱電力の利用割合を高める)」といった複数の運転モードを備えた独自のプラント向けエネルギーマネジメントシステム(EMS)を採用し、水素製造の最適化も検証する。EMSには、水素搬送車両に取り付けたGPS(全地球測位システム)端末から搬送状況を把握し、車両の発着スケジュールにあわせてプラントを止めずに連続運転できるよう制御する機能も付与する。

     

     プラントで製造した水素は、地元の工場に搬送して燃料電池フォークリフトの燃料として利用する。研究パートナーも公募し、地熱発電電力やCO2フリー水素の活用方法を検討する。

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    掲載日: 2020年7月10日 | presented by 建設通信新聞

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