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レアアース採取技術を確立/2022年度に3000m海域で実地試験/東亜建設工業
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>東亜建設工業は15日、政府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)革新的深海資源調査技術で南鳥島周辺海域のレアアースを採取するために重要になる「解泥」技術について、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の委託を受けて実施している模擬実験を公開した。SIPの石井正一革新的深海資源調査技術担当プログラムディレクター(PD)は、「レアアース採取に向け、解泥技術が肝になる。実際に近い形での研究を進め、2022年度には水深3000mの海域で揚泥までを含めた実地試験を実施したい」と意欲を示した。
南鳥島周辺の海域には、レアアースの濃集体が存在することが分かっており、SIPの革新的深海資源調査技術では、水深5000mを超えるレアアースの埋蔵を把握し、海底から採取する技術の確立を目指している。
レアアースの採取に当たっては、深海底に粘土のように固く締まった状態で堆積しているレアアースを含む泥を海面上まで引き上げるために泥を細粒化(解泥)する必要がある。東洋エンジニアリング・東亜建設工業JVは、解泥技術の模擬実験についてJAMSTECから受託し、実験を進めてきた。海底に集泥管を貫入して管の中で水を吐出し、撹拌翼で泥を混ぜて解泥しながら深さ約3mまで貫入する。実験では、実機の3分の1スケールの大型試験系と高さ6mの作業構台を千葉県袖ケ浦市の東亜建設工業の屋外試験ヤードに設置。模擬泥を解泥できることを確認した。実験結果を踏まえ今後、解泥や揚泥などのための機器を組み合わせた機器全体の基本設計を東洋エンジニアリングが進める。
石井PDは、「深海底のコア採取など、これまでの成果があって、解泥のための撹拌翼形状などの検討ができた。今後、実際の海底に存在するマンガンの塊がある場合に撹拌翼が正常に稼働するかなどを確認する必要がある」と指摘した上で、「撹拌翼が問題なく稼働することが、経済性を踏まえた資源採取を実現する上で最も肝になる」と強調した。22年度の実海域実験で使用する3000mのパイプの納品遅れや海域調査での感染防止策など新型コロナウイルス感染拡大の影響も挙げつつ、「さまざまな代替手段を考えながら大幅に遅れないよう対策を取っていきたい」とした。
残り50%掲載日: 2020年7月16日 | presented by 建設通信新聞