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T-EAGLE杭工法/支持力の「評定」取得/大成建設、システム計測
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【中層から超高層まで適用範囲を積極拡大】
大成建設は、システム計測と共同開発した大口径多段拡径場所打ちコンクリート杭工法「T-EAGLE杭工法」の適用範囲を拡大する。新たに引き抜き抵抗力や鉛直支持力に関する評価手法を確立。第三者機関による技術認証として支持力評価法の「評定」を取得した。従来の超高層建築物だけでなく、中層建築物にも適用できる合理的な杭工法として積極的な展開を狙う。
既に2019年1月に施工法に関する建設技術審査証明を取得し、超高層建築物に適用できる体制を整えていたが、新たに実施した引抜き抵抗力や鉛直支持力に関する詳細な実験と解析によって、その評価手法を構築。3月にベターリビングから支持力評価法の評定を取得したことで、これまで超高層建築物に限定していた適用範囲を中層建築物まで拡大した。
従来の超高層建築物だけでなく、狭あいな敷地に建つ高さ40m程度の中層建築物まで、幅広いプロジェクトに適用できる環境をつくり出すことで、より積極的に「T-EAGLE杭工法」の活用を提案していく方針だ。
中間部と底部の杭径を拡大することで、鉛直支持力と引き抜き抵抗力を増大させた大口径多段拡径場所打ちコンクリート杭工法「T-EAGLE杭工法」は、従来の拡底杭工法と比較して、1本の杭でより高い支持力が得られることから、施工本数の削減や杭長の短縮が可能というメリットを持つ。
実際に1本の杭で従来の拡底杭の1.9倍となる100メガニュートン(約1万t)以上の鉛直支持力を発揮。同工法による拡大径5.5mの杭1本と同じ支持力を持つ4.8mの拡底杭2本を施工する場合、掘削土量は約3割、1カ所当たりの工期は約2割ほど削減できる。
拡径の角度や多段のメリット(中間拡径部と拡底部の二重の引き抜き抵抗力)を的確に引き抜き抵抗力の評価に組み込んでいくことで、杭径・杭長を約2割ほど縮小することも可能だ。杭径の縮小によって、例えば、狭あいな敷地に建つアスペクト比(建築物幅に対する高さの比)が4を超えるような建築物でも敷地面積を有効活用できるという利点もある。
近年の建築物の超高層化や長スパン化によって、杭に求められる鉛直支持力や引抜き抵抗力が増大している中で、中層から超高層まで幅広い建築物の基礎工事を合理化できる杭工法として今後の積極的な適用を見通す。
残り50%掲載日: 2020年7月29日 | presented by 建設通信新聞