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「車」から「人」に用途転換/PFI先駆事業が次の段階/東京都のKK線あり方検討
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>銀座から京橋の約2㎞にわたる自動車専用道路、東京高速道路(KK線)のあり方を議論する、東京都の「KK線の既存施設あり方検討会」(座長・出口敦東大大学院教授)は28日の第4回会合=写真=で、道路として使われているKK線を歩行者機能に転換することを提言の柱とすることを決めた。公共的機能を今後も持たせながら、道路を「車」から「人」に用途転換することになる。出口座長は、事務局を務める東京都に対し提言後に具体的な整備を誘導させるため今後の工程表作成も指示した。KK線の今後のあり方が固まることで、近接する地区の大規模再開発や、首都高速道路都心環状線の別線整備の弾みになりそうだ。
28日の会合では、千代田、中央、港の3区がKK線の既存施設のあり方についてそれぞれ考え方を提示したほか、管理運営者、民間事業者(開発事業者7者)、鉄道事業者からのヒアリング結果も公表した。
KK線は、99年に日本で導入されたPFIの先駆けとも言われるアイデアで、66年に全長2㎞の自動車専用道路が完成した。
民間事業者と鉄道事業者からは、近接地を将来開発する視点で、自動車専用道路機能廃止後の再整備について「周辺エリアのまちづくりと一体となったにぎわい創出」など道路からの用途変換に期待の声が相次いだ。
また、近接地の将来開発の観点とKK線施設との関係については、KK線に隣接する敷地を所有しKK線の用途転換に合わせた整備の可能性がある複数社が、「KK線に近接する民間所有の宅地とKK線敷地を一体的な敷地とした法定再開発などを行うことにより、KK線再整備後の上部空間の一部を、当該再開発の施設建築物の一部として一体的に整備する」といった具体的な回答をした。
また、中央区はKK線あり方検討会が今後、東京都への提言に対し▽築地川アメニティ整備構想との連携も視野に入れた「人でにぎわう緑のプロムナード」▽KK線と都心環状線との接続部の有効活用の検討▽築地市場跡地再開発、浜離宮恩賜庭園、隅田川に続く広域的な視点で水と緑のネットワークの検討--の3項目を盛り込むことを求めた。
これに対し、出口座長は「首都高の別線については、首都高などが検討するもので、KK線あり方検討とは直接関係しない」と理解を求めた。現在、KK線は首都高八重洲線と都心環状線に接続している。KK線が現在の道路機能を失えば、八重洲線と都心環状線の接続が途絶えるため、KK線構造物の地下に新たに道路トンネルをシールドで構築し接続させるのが、首都高別線整備案だ。
既に、首都高の日本橋区間を地下化する構想が進んでいるが、地下化に伴って大型車交通の環状機能確保が大きな課題になっていた。現在のKK線は幅員の狭さと構造的に大型車両が通行できない。大型車両を通行させるためには、拡幅や補強など多くの問題があった。
*KK線 戦後、日本が経済成長を遂げるためには道路網の整備が不可欠と考えた財界人23人が発起人となって、1951(昭和26)年に東京高速道路を設立。道路整備に当たっては、銀座周辺の外堀、汐留川、京橋川を埋め立て、日本最初の高架による無料自動車道路を建設した。建設費と運営費は道路と一体で整備したビル賃貸収益で回収する仕組みを導入した。
残り50%掲載日: 2020年7月29日 | presented by 建設通信新聞