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  • 建設業も急速に高まる資金需要/日銀「7月主要銀行貸出動向調査」

    【企業規模問わず拡大顕著】

     

     建設業と不動産業の資金需要が4月と比べ3カ月で急速に高まっていることが、日銀の「7月主要銀行貸出動向アンケート調査」で浮き彫りになった。資金需要拡大は、大企業、中堅企業、中小企業など規模を問わずすべての企業階層で共通している。建設業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を他業種ほど直接影響を受けていないとみられていたが、4月から3カ月の間で資金需要をめぐる環境が悪化している可能性もある。

     

     主要銀行貸出動向調査は、3カ月に1回、日銀と取り引きがある国内銀行と信用金庫のうち、貸出残高の上位50位行を対象に、企業の資金需要の増減を指数(DI)で表している。資金需要は「増加・やや増加」から「減少・やや減少」を引いた値。需要が増加していればプラス、減少していればマイナスとなり、業種別・規模別の景況感を示す指標の1つ。調査は毎年1月、4月、7月、10月の年4回実施している。

     

     7月の調査では「全体」の資金需要判断DIは、大企業向けが前回の6から46、中堅企業向けも6から39、中小企業向けは13から54へ増加した。

     

     一方、「建設・不動産」も同様の傾向となった。大企業向けは9から27へ、中堅企業も10から21に、中小企業は2から31へと大きく増加した。

     

     増加、やや増加の要因としては、企業規模共通で「資金繰りの悪化」と「手元資金の積み増し」の2つのウェートが最も高かった。

     

     建設業の場合、元請けの下請けに対する労務などの現金支払いを含めた毎月の支出は確実だが、毎月入金されるとは限らないのが実態だ。

     

     また、東京都内など一部地域では工事発注量が2020年度第1四半期(4-6月)に減少していた。ただ、元請けの手持ち工事残高は依然として高水準にあるほか、労務・資機材などの供給が需要に追いつかない、需給タイトな状況は国土交通省の統計などからも明らかになっている。

     

     新型コロナ感染拡大防止へ向けた対応の一環として政府は、金融機関に対し企業に対する積極的な融資や一層の条件変更(金利減免や支払い期間延長など)を要請するなど資金繰り支援への姿勢を鮮明に打ち出している。こうしたことも、7月調査で資金需要拡大につながったとみられる。

     

     結果として建設業の場合、資金需要がタイトになりつつあるというより、企業が先行きの不透明感から手元資金を少しでも厚くしようという行動が、日銀の7月調査で浮き彫りになったといえそうだ。

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    掲載日: 2020年7月30日 | presented by 建設通信新聞

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