当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • キャリアアップシステム料金見直し/引き上げ 「やむを得ず」/建設業団体、将来性に期待

     建設キャリアアップシステムの料金体系見直しに伴う最終案が示され、建設業団体は7日の最終決定までに内部で議論を深めていくが、「利用料金を引き上げなければシステムの運用が止まるのであれば、認めざるを得ない」との苦渋の声が漏れ聞こえてくる。一方、システム運用の安定化は技能者・事業者登録数、カードタッチ数の増加を前提とするため、「料金が大幅に値上がりする中で、登録数とタッチ数を伸ばしていくという根拠が明確になっていない。これでは運営悪化を繰り返す」と危惧(きぐ)する意見も上がる。

     

     ある元請団体の幹部は、料金体系見直しの最終案が「ぎりぎりの収支ラインだと理解している」とした上で、建設キャリアアップシステムに建設技能者の処遇改善、建設業の健全な発展へ向けた制度インフラとしての期待がかかる以上、「現行の料金体系でシステムの継続が難しいのであれば、使用料金の引き上げを認めざるを得ない」と話す。

     

     ただ、料金引き上げを無条件で認めるわけではなく、再度引き上げが起こらないよう徹底すること、黒字に転じた際の使用料金への還元、利点の明確化などは引き続き訴えていくという。

     

     専門工事業団体の幹部も「料金の値上げによって登録数の低下が見込まれるため、反対の姿勢は示すが、システムのメリット、将来性を考慮すると、最終的には料金引き上げを認めなければならないだろう」と吐露する。対案として登録料ではなく、より廉価な現場利用料(カードタッチ費用)の引き上げを提案し、条件付き賛成の意向を示す方針だ。

     

     別の元請団体の役員は、料金引き上げ後のシステム運営を懸念する。「1年で100万人、5年で300万人の技能者登録を目標に掲げている。現状では遠く及ばないにもかかわらず、(システムの監督・運営側は)料金を引き上げても、登録数が増えていくと考えているようだが、一般的に考えればそんなことはあり得ない」と指摘する。料金を引き上げても、登録数が増えなければ、運営状況は再び悪化するだけに「登録数が増えるという根拠を明らかにしてほしい」と訴える。また、システム運営の安定化には業界全体の普及への機運を高めることが不可欠なため、「団体ごとに数値目標を設定し、建設キャリアアップシステム運営協議会の運営委員会でフォローアップしてはどうか」と加える。

     

     開発経費の追加負担については、利用者全体の問題である料金引き上げと異なり、各団体で負担を了承するか否かの機関決定事項であることから、より慎重に議論を重ねていくとみられる。

     

     今回の財源問題で、隠れていたさまざまな課題が表面化したものの、これを教訓として運営者・利用者間と利用者(団体)間が一丸となり、システム普及態勢の強化につながることが期待される。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2020年8月3日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事