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  • 日本工営/フライホール蓄電システム開発/ハイブリッドで電力系統安定化

     日本工営は、独ストルネティック社と共同で小容量から大容量まで幅広い用途に拡張性を有する量産型フライホール蓄電システムFlystabの製品化に成功した。長寿命で充放電が高速な蓄電装置で環境にも優しい特徴を持つ。日本工営ではこれに一般的なリチウムイオン電池などの蓄電システムをハイブリッド化した新たな蓄電システムを開発。これを制御するEMS(エネルギー管理システム)も自社開発した。模擬マイクログリッド環境による動作試験ではリチウムイオン電池などの充放電電流・回数を大幅に低減できることを確認しており、再生可能エネルギーの導入が今後さらに進む中で電力系統の安定化に大きく貢献するものとして国内外の市場に優位性をアピールしていく。

     

     フライホール蓄電システムは、円盤(フライホール)を電力で回転させることによって、電力を運動エネルギーとして蓄え(充電)、必要に応じて運動エネルギーに再び電力に変換(放電)する機械式蓄電システム。リチウムイオン電池や鉛電池などの化学反応を利用する蓄電システムに比べ、長寿命で充放電が高速な蓄電装置として注目されている。

     

     今後、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの導入が進んだ場合、電力の需給バランスを安定化させるため蓄電システムが重要になるが、現在主流のリチウムイオン電池や鉛電池などは比較的安価の一方で充放電を繰り返すと寿命が短くなる課題がある。

     

     日本工営では、こうした課題に対応するため、長寿命・高速充放電が特徴であるFlystabを再生可能エネルギー導入の先進国である独のストルネティック社と共同で開発。さらにFlystabと一般的な蓄電システムを組み合わせたハイブリッド蓄電システムとこれを制御するEMSを自社開発した。

     

     その実用性の評価として、福島再生可能エネルギー研究所(FREA)と共同で模擬マイクログリッド環境による検証を実施。実運用を想定した動作試験を通して、周波数変動の短周期部分をFlystabが吸収することで、リチウムイオン電池や鉛電池の充放電電流・回数を大幅に低減できることを検証した。

     

     フライホールを用いた電力系統向けの蓄電システムによる試験は日本国内ではほとんど実施例がないが、欧米では周波数調整市場やマイクログリッドで利用されている。日本工営は今後、国内を始めアジア諸国を中心に、今回開発したハイブリッド蓄電システムの優位性を広くPRし、長寿命・高速充放電を必要とする市場への適用に向けて積極的に事業展開していく。

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    掲載日: 2020年8月4日 | presented by 建設通信新聞

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