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北関東支局・暑中企画
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【「リモート型」の働き方へシフト】
関東地方整備局が直轄工事でICT活用を始めてから、ことしで5年目となった。建設現場の生産性向上に加え、新型コロナウイルス感染症の観点からも、日常業務へのテレワーク技術導入など、より広範な意味でのICT活用の重要性がますます高まっている。関東地方整備局企画部機械施工管理官の二瓶正康氏に「新技術による働き方改革」をテーマに話を聞くとともに、4県の注目事業を取り上げる。
■インタビュー/関東地方整備局企画部機械施工管理官 二瓶正康氏 /小規模工事のICT拡大目指す/インフラDX推進へ人材育成
「ICT活用が特別なことではなく、普段から当たり前に使われるようにする必要がある。災害時の活用も期待されるが、急には使いこなせない。労働人口が減少する中、工事規模の大小を問わずICTにより、現場を効率化するため、普及・拡大に努めたい」と先を見据える。
小規模工事が対象となる施工者希望II型の適用率が低いことから、「 小規模工事の場合、起工測量から納品まで全段階でICTを活用することが必ずしも効率化につながらないケースもある。現場の実態に合わせ、部分的に導入する『簡易型ICT活用工事』などを周知していきたい。技術支援を希望できる3Dチャレンジ型試行もアピールしていく」と説明する。
また、ICT施工において面的出来形計測実施時の積算が改定されるとともに、小規模施工では、現場条件により標準規格のICT施工機械が施工現場に搬入・配置できない場合に、標準積算ではなく、見積もりを活用できるよう改定され、「ICT土工の適用件数が少ない小規模工事への普及が期待できる」
国交省はことし5月、より効果的に建設現場の「遠隔臨場」に取り組むため、改めて20年度の方針を示した。遠隔臨場などの活用により、「作業の効率化や、新型コロナウイルスの感染症対策として人との接触機会の削減が期待できる。関東では、20年度施工中の23事務所の72工事で実施し、新規発注工事でも53工事で試行する予定」という。
「受注者は監督職員が臨場するまでの待ち時間が削減され、発注者は現場への往復時間がなくなり、自席や在宅勤務先からリモートで現場状況を確認できる。新型コロナウイルス感染症対策として、リモートやウェブ会議を活用したことで、現場を含めた仕事の進め方がリモート型に踏み出すことになった。使うことで、便利さが分かった」と実感している。
課題としては「現場全体を見る際は、リモートだと部分的にしか見えないこともあるため、その場合は必要に応じて現場に行くなど、使い分けるべき。すべてがシフトできるわけではないが、リモートできる部分は積極的に活用していきたい。リモートが浸透して、ウェブ会議もスタンダードになっていくだろう」と語る。
今後、新設する関東i-Construction人材育成センター(仮称)は「インフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を強力に推進する。人材を育て、知見を得る場として21年度の開設に向け、研修資材、教習内容などの準備を進めている」と話す。
国交省ではBIM/CIMの原則化の方針を打ち出しており、「BIM/CIMを実施する人材育成を進めなければならない。非接触にもつながる施策であり、3Dデータの利活用、ICT活用、無人化施工といったリモート型の仕事を知る場を設けたい。自治体、施工者に興味を持ってもらい、それぞれにどういうことを伝えるべきかを模索しながら、人材の底上げにつなげる」
■革新的技術をマッチング、オンラインで個別商談
関東地方整備局と関東経済産業局、中小企業基盤整備機構関東本部は、建設分野で中堅・中小企業の革新的な技術の活用を促進する第1回「コンストラクション オープンイノベーションマッチング(COIM)」を開始した。国民の生活・安全を守る「防災・災害対応、復興等」の分野に集まった69社120技術と、ニーズを持つ関東整備局管内23機関がオンラインで個別商談していく。
2019年11月から、「オープンイノベーション・マッチングスクエア(OIMS)」(中小機構のビジネスマッチングサイト内)を通じて、関東整備局が持つニーズに対する提案を募集していた。
OIMSの公募には、一般機械器具製造業、電気機械器具製造業、その他の製造業(センサーなど)、広告・調査・情報サービス業、精密機械・医療機械器具製造業、化学工業、木材・木製品製造業(家具を除く)といった建設業以外のさまざまな業種の事業者から応募があった。
【北関東4県の注目事業】
■埼玉県/大宮駅GCSプラン案/交通広場は中地区に配置
さいたま市は、大宮駅グランドセントラルステーション(GCS)化構想の実現に向けた具体策を示す「(仮称)GCSプラン(案)」をまとめた。今後、パブリックコメントなどを経て、21年3月までにプランを策定する。
交通広場は中地区を中心に活用してL字型に配置する。新東西通路は必要幅15mに構造体の幅や側方余裕を加えた幅を基本とし、東武大宮駅は新東西通路の南側までやや南進して駅橋上化し改札口を設置する。中山道の地下バイパス化と大宮岩槻線化を整理し、段階的な開発・基盤整備の状況に応じた交通需要マネジメントで混雑緩和を図る。
■栃木県/JR宇都宮駅西口/B街区で再開発準備組合
JR宇都宮駅西口地区(宇都宮市)のA~F6街区約2.2haのうち、B街区(3141㎡)で「宇都宮駅西口大通り南地区市街地再開発準備組合」が、6月に発足した。2021年度末の都市計画決定、22年度秋の本組合設立、23年度春の着工を目指す。事業協力者として再開発計画オフィス、AIS総合設計、フージャースコーポレーションが参画している。
6街区では、このほかE街区で「宇都宮駅西口南地区市街地再開発準備組合」が18年12月に発足している。事業協力者は再開発計画オフィス、AIS総合設計、旭化成不動産レジデンス。
■群馬県/桐生市新庁舎/基本計画・基本設計を公告
群馬県桐生市は7月末、「桐生市庁舎建設基本計画策定及び基本設計業務委託」の公募型プロポーザルを公告した。現庁舎敷地内で庁舎を建て替えるため、新庁舎建設工事、外構工事などの基本計画策定、基本設計業務(地盤調査、土壌汚染調査、敷地測量、石綿含有調査を含む)を委託する。参加申出書は21日、技術提案書は9月18日まで受け付け、30日に受託候補者を決定・通知する予定だ。履行期間は2021年7月31日まで。
規模は延べ1万1500㎡程度が条件。23年1月から24年12月に庁舎建設工事を進める予定だ。庁舎建設のみの概算事業費は58億円程度。
■長野県/松本平陸上競技場基本設計/青木淳・昭和JVを特定
長野県は、「松本平広域公園陸上競技場整備事業基本設計」の公募型プロポーザルを実施した結果、最適候補者として青木淳建築計画事務所・昭和設計東京事務所JVを特定した。8月下旬にも契約する予定だ。履行期間は2021年2月26日まで。
松本平広域公園内の現陸上競技場を解体した跡地に、延べ約2万㎡の新陸上競技場を建設する。27年開催予定の国民体育大会・全国障害者スポーツ大会の開・閉会式会場、陸上競技会場となる。直接工事費は約88億円。観客席は約2万席。22年度下期から25年度上期に建設工事を進める予定だ。
残り50%掲載日: 2020年8月6日 | presented by 建設通信新聞