当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 中部支社暑中企画2020(3)

    【リニア見据え再開発、高速道路網整備が本格化/アジア大会メイン会場整備も控える】

     

     名古屋市内ではリニア中央新幹線(品川~名古屋間)開業を見据えて、名古屋駅周辺の再開発事業や高速道路などネットワーク整備計画が本格化している。名古屋鉄道は、名鉄名古屋駅の再整備や同駅周辺での不動産開発を進める。「名鉄名古屋地区再開発」では、周辺の事業者とともに大型の複合施設建設を計画している。また、2026年に愛知県と名古屋市が共催する第20回アジア競技大会に向けて、メイン会場の整備事業などが控えている。

     

    ◆名古屋鉄道/名古屋駅4線化、都心部で不動産開発

     

     名古屋鉄道は、リニア中央新幹線開業を視野に、「名鉄名古屋駅4線化計画」を進める。既存2本の線路を4本に増やす予定だ。名鉄名古屋駅は中部国際空港や岐阜、豊橋など5方面行きの列車が発着する複雑な構造となっている。そのため、駅の面積を2倍に広げ、ホーム数を増やすなどして、利便性を高める。駅施設の詳細は調整中。2022年度着工、27年度の完成を目指す。

     

     また、名古屋の都心部にオフィスビルの建設などの不動産活動を展開する。名古屋駅前東側(桜通口)エリアで複合施設の建設事業を2件推進するほか、エリア内の5カ所で施設などの開発を検討している。

     

    ◇名駅4丁目エリア/延べ2万㎡の複合施設建設

     

     具体的には、名駅4丁目内の錦通に接する土地の不動産証券化スキームを活用したオフィスビル開発に出資。S造地下2階地上16階建て延べ約2万㎡の複合施設を建設する方針だ。事業主体などは非公表。用途は事務所、店舗、駐車場。23年3月の完成を予定する。

     

     このほか、広小路通に接する土地で「(仮称)名駅4丁目ビル開発計画」に着手する。S造12階建て延べ2326㎡の複合ビルを建設する。用途は店舗、事務所。21年9月の完成を目指す。

     

     「名鉄名古屋駅地区再開発」も進める。17年2月に公表した名古屋駅地区再開発全体計画によると、施設は名鉄、近畿日本鉄道の駅施設を含む6棟の敷地2万8000㎡が対象。主用途は商業、オフィス、ホテル、レジデンスなど。施設の延べ床面積や棟数などは調整中。22年度の着工を目標に都市計画などの手続きを段階的に実施する。

     

     この再開発に合わせて交通整備も実施。同駅を面的・機能的に拡張する。これまで施設の利用者から意見・要望があった乗り換えの課題を解消する。

     

     名鉄名古屋駅地区再開発など、駅周辺に大型の施設を建設するには規制緩和が必要になる。そのため名古屋市は名古屋都市計画地区計画(名古屋駅・伏見・栄都市機能誘導地区)を変更し、名古屋駅エリアの指定容積率を現在の1000%から1300%にする。20年内に都市計画決定する予定だ。

     

    ◇名駅南エリア/家電量販店の土地約6600㎡を取得

     

     さらに名鉄は、名古屋市内の家電量販店「エディオン名古屋本店」の土地を取得した。登記の日付は3月26日。場所は中村区名駅南2-4-22。敷地面積は約6600㎡。具体的な整備スケジュールなどは未定。周辺の開発動向などを踏まえ、調整を進める。

     

     同地は名古屋駅の南に位置する。周辺ではタワーマンションなどの計画が進行中。エディオン名古屋本店は当面の間、営業を継続する方針。

     

    ◆名古屋高速道路公社/出入り口2ヵ所新設しアクセス強化

     

     名古屋高速道路公社は、名古屋高速道路に(仮称)新洲崎と(仮称)新黄金の2つの出入り口を新設するため、整備計画を変更した。7月20日に道路整備特別措置法第12条に基づく国土交通大臣の認定を受けた。出入り口の新設によって都心部へのアクセスを強化。リニア中央新幹線の開業効果を広域に波及させ、地域経済の活性化を支援する。

     

     同公社は、技術提案交渉方式(設計交渉・施工タイプ)を適用する「市道高速1号他新洲崎工区改築事業」の公募型プロポーザルを7月10日に公告済み。9月4日まで参加表明書を受け付けている。

     

     参考額は実施設計が15億円(税別)、工事が300億円(同)。名古屋駅へのアクセス向上を図るため、新洲崎JCTの出入り口ランプを4本追加する。事業期間は実施設計が2022年8月31日まで、工事が26年12月15日まで。場所は同市中村区名駅南2~中区大須2。

     

     同事業とともに今後、5号万場線の黄金出入り口のフルIC化(想定事業費150億-200億円)も推進する。27年度の完成を目指す。場所は中川区九重町地内ほか。

     

     このほか、中期経営計画(期間21年度まで)に示した丸田町JCT付近の「南渡り線・西渡り線」新設整備などにより、都心環状線の渋滞解消や中部国際空港(愛知県常滑市)などへのアクセス向上を図る方針だ。

     

     新洲崎JCT~丸太町JCT間は、都心環状線北回りで5.7㎞、同線南回りで4.6㎞の迂回が必要で、渋滞の要因にもなっている。新たに南・西渡り線を整備することによって高速道路2号東山線2.2㎞の走行を可能とし、渋滞対策を本格化する。

     

     同公社は南・西渡り線の新設により、通常時は約2分、都心環状線の渋滞時には約8分短縮できると見込んでいる。着工時期などは現時点で未定。整備完了はリニア中央新幹線開業をめどに、調整を進める。事業手法は現在検討中。ECI(施工予定技術者事前協議)方式の導入など幅広く可能性を探る。

     

    ◆名古屋市が瑞穂公園マスタープラン/陸上競技場、にぎわい施設を整備

     

     名古屋市スポーツ市民局は、7月に「瑞穂公園マスタープラン~整備・運営の基本的な考え方~」をまとめた。計画期間は2040年度まで。

     

     26年に愛知県と共催する第20回アジア競技大会に向けて、▽スポーツによるにぎわいの創出▽市民の交流・憩いの場▽自然環境の保全と活用▽名古屋の歴史のはじまりに触れる--の4つを整備の方向性に設定した。これをもとにアジア大会のメイン会場となる瑞穂公園陸上競技場やにぎわい施設の整備などを進める。公園の総面積は約24ha。

     

     具体的には、PFIのBTO(建設・譲渡・運営)方式を採用する名古屋市瑞穂公園陸上競技場整備等事業を推進する。7月22日にWTO対象の総合評価一般競争入札を公告し、事業者の選定作業を進めている。21年3月上旬に落札者を決める。予定価格は500億3545万4546円(税込み)。事業期間は41年3月31日まで。

     

     施設規模は2層構造の本設が延べ約6万1000㎡(観客席約3万席)、仮設が延べ約3000㎡(観客席約5000席)。

     

     本設は21年度から設計と既設の解体、建設工事を進め、26年4月の供用開始を目指す。場所は瑞穂区萩山町3ほか。

     

     また、競技場の隣接地にある宿泊研修室(延べ837㎡)をリノベーションするほか、事業者の提案による民間収益施設も整備する。合わせて敷地内の自然環境の保全を図り、国指定史跡の大曲輪貝塚や瑞穂2号墳なども保存活用する。

     

    旧貯金事務Cに建設地変更/中部整備局の名古屋第4合庁 

     

     中部地方整備局は、名古屋三の丸地区に分散する東海農政局、中部経済産業局などの官庁施設を集約するため新設する「名古屋第4地方合同庁舎」の建設予定地を中部経済産業総合庁舎から旧名古屋貯金事務センターの敷地に変更した。

     

     2019年8月の新規事業採択時評価の段階では、現中部経済産業総合庁舎を解体した跡地に整備する方針だった。しかし名古屋市が「世界の金シャチ横丁(仮称)基本構想」早期推進のため、1月に東海農政局が入る名古屋農林総合庁舎と同庁舎2号館の国有地取得を要望した。

     

     これを受け、建て替え用地を中部経済産業総合庁舎敷地5869㎡から、同庁舎西側に隣接する旧名古屋貯金事務センター敷地6581㎡(同市中区三の丸2-6-2)に見直した。敷地変更に伴い施設規模を約1.3倍拡大できることから中部整備局(港湾空港関係)と東海農政局(統計部など)を入居予定官署に追加した。

     

     規模はSRC造地下2階地上9階建て延べ1万9457㎡から「S造地下2階地上11階建て延べ2万5703㎡」、総事業費は約91億円から「約122億円」に変更した。事業にはPFI手法の導入を検討する。整備予定期間は21-25年度。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2020年8月6日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事