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  • 需要端境期で減収減益/上場大手ゼネコン4社・第1四半期決算/新型コロナの影響は限定的

     上場大手ゼネコン4社の2021年3月期第1四半期の決算が出そろった。建設需要が東京五輪関連需要と五輪後の端境期に入り、4社中3社の連結売上・営業利益が減収減益となり、単体受注も4社中3社が前期を下回った。新型コロナウイルス感染拡大の影響はあるものの、その度合いは「限定的」との声が大勢を占めている。

     

     21年3月期の連結決算は、鹿島を除く3社の売り上げが減少した。増収増益となった鹿島は、「開発事業で大型案件が売上計上でき、利益も上がった。また、前期に少なかった、工事進捗に応じた損益の見直しが今期は通常どおり計上でき、利益が改善した」と説明する。

     

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     単体売上は「前年同期は大型案件の工事が最盛期を迎え、今期はその反動減」(大成建設)、「建築は前期に首都圏の大型再開発事業などがあったものの、前期末までに完了し、今期は新たに着手した工事が多く、出来高が上がりにくい工事序盤となっている」(大林組)、「前期は前々期からの繰越が多かった。今期は“踊り場”と認識している」(鹿島)と、各社とも端境期による影響と捉えている。緊急事態宣言の時期に現場を閉所したものの、期間が短く、売り上げへの影響は「限定的」だ。ただ、清水建設は「海外も含め、影響が出たと考えてよい」とした。

     

     単体受注では、清水建設を除く3社が前年同期を大幅に下回った。鹿島は「もともと第1四半期は、予定案件が少ない」とし、第2四半期以降の案件で前期比15.1%増とした通期見通しを達成できるとみている。

     

     大林組も「予定案件が第2四半期に多いほか、受注計上できなかった内定案件なども含めると、それほど前期と遜色ない」とした上で、通期で1兆5060億円としている予想も「前々期と比べれば水準は低くない」としている。大成建設も、「前年同期に建築の大型案件を受注したことによる反動減」と要因を説明する。

     

     清水建設は唯一、単体受注で前年同期を上回ったものの、「国内の受注高は前期比減で、全体の数字ほど良くはない」とし、今後も「プロジェクトの期ずれなど、新型コロナの影響は少なからずある」と見通す。

     

     各社も「発注手続きの遅れやホテル・商業施設では計画を見直すケースが出ている」とするものの、「計画遅れなどを加味しても手持ちの工事情報量は多く、本来は人員などの関係で 受注できないと考えていたプロジェクトも、新型コロナで 他の物件が延期されたことで 対応可能になったケースもある」(大林組)と、需要が枯渇するような深刻な状況には陥っていないとの見方が大勢を占めている。

     

     ただ、海外については北米やシンガポールなどで工事中断が長期におよび、受注・売上とも一定の影響を受ける見込みだ。

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    掲載日: 2020年8月7日 | presented by 建設通信新聞

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