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総合的な対策を議論/激甚化する水害でシンポ/土木学会
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>土木学会(家田仁会長)は13日、ウェブ会議で「2020年梅雨前線がもたらした中国・日本の大水害シンポジウム」を開催した。先の梅雨前線の特徴を分析した上で、中国・日本両国の被害、インフラ整備の状況などを共有するとともに、多発・激甚化する豪雨災害に関する総合的な対応を議論した=写真。
開会に先立ってあいさつした、家田会長は「地域特性などの個別条件を反映することが水害対策の前提となるが、豪雨災害が広域化し、国を越えて被害をもたらしている現状を踏まえると、その経験やノウハウを国・地域間で共有し、より良い対策につなげていかなければならない」と述べた。
気象庁気象研究所の今田由紀子氏は「2020年梅雨前線豪雨の特徴と近年の異常気象について」と題し、豪雨災害の傾向などを解説。豪雨の発生要因には▽多量の水蒸気の流れ込み▽梅雨前線、台風、線状降水帯▽上空の寒気・気圧の谷、偏西風の蛇行--が考えられるが、多量の水蒸気以外は「温暖化の影響の検出が難しい」との認識を示した。
「中国における水害リスクマネジメントと危機管理の特徴と変化-1998年と2020年の長江水害から見えたこと」をテーマとした、黄光偉氏(上智大)の講演に続き、土木学会の「令和2年7月九州豪雨災害調査団」の大本照憲(熊本大)、矢野真一郎(九州大)正副団長が現地調査に基づく球磨川、筑後川などの被害状況、メカニズムと今後の検討項目などを説明した。
塚原健一氏(九州大)をコーディネーターとする全体討議の後、福岡捷二氏(中央大)が全体を総括した。河川法や水防法など関連法の連携に基づく「氾濫原対策が必要」とした上で、「球磨川を始め、全国の河川の整備水準はまだまだ低く、施設整備を加速化することが最重要」であるとともに、「『総合多層化された流域治水』を強力に進めることが求められる」と強調した。
洪水水面形から多段階リスク情報付きハザードマップを作成し、「住民に分かりやすい形で安全性のレベルを周知することが大切だ」と加えて、締めくくった。
残り50%掲載日: 2020年8月18日 | presented by 建設通信新聞