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西松建設ら/切羽掘削形状モニタリング/余掘り量 最大20%低減/現場試行で導入効果実証
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>西松建設とビュープラス(東京都千代田区、桑島茂純社長)、ジオマシンエンジニアリング(東京都荒川区、塚田純一社長)は、山岳トンネル工事の安全性の向上と効率化を目的に開発した「切羽掘削形状モニタリングシステム」を木原道路内畠トンネル工事(広島県三原市)に適用。現場試行によって余掘り量を最大20%低減する効果を確認した。
2019年2月に開発した切羽掘削形状モニタリングシステムは、発破・ずり出しの完了後、ブレーカーなどの重機に搭載した高速3次元スキャナーで切羽の掘削形状を計測。掘削形状の点群データと設計断面を比較(設計断面内に残ったあたり個所を重機キャビン内のモニターにヒートマップ表示)することで、オペレーターが容易にあたり個所を確認できる仕組み。
オペレーターが運転席のモニターに映し出されるヒートアップ表示を基に作業することから、従来のように、作業員が危険な切羽直下で目視確認する必要がない。
高速3次元スキャナーが、切羽の後方に任意に配置した特殊基準球を自動探索して自己位置を特定するため、トータルステーションとの連動が不要。実際に計測の指令を出してから結果が表示されるまで50秒程度で済むことから、掘削サイクルに影響を与えることなく、効率的かつ安全に作業を進めることができるメリットがある。
掘削形状の点群データから切羽ごとの余掘り量を分析していくことで、発破パターンの見直しなどトンネル掘削での余掘り量の最少化につなげることも可能。実際に現場で試行した結果、余掘り量・余吹き量を最大20%も削減できたという。
設計断面よりも内側に残った地山を掘削する整形作業(あたり取り)や、整形が必要な個所(あたり個所)の判断はこれまで熟練作業員による目視確認という定性的なものだったが、データに基づく定量的な作業を可能にすることで、切羽直下での危険作業の低減(安全性)だけでなく、作業性の向上も期待できる。
同社は現場での試行を通じて今後もシステムの改良を継続。高速3次元スキャナーを活用したインバート掘削管理システムや切羽面の押出し計測、重機の姿勢制御などの技術開発を進めることで、山岳トンネル施工の無人化・自動化の実現を目指していく方針だ。
残り50%掲載日: 2020年8月24日 | presented by 建設通信新聞