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オリエンタル白石、千葉工大、システム計画研/掘削重機を自動運転/
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【衝突回避実現、耐久性向上目指す】
オリエンタル白石と千葉工業大学、システム計画研究所は、ニューマチックケーソン工法の実現場で掘削重機の自動運転システムの実証試験に成功した。掘削重機をロボット化、ネットワーク化して自動運転することでオペレーター数を減らすシステムを開発している。
実証試験では、実際の作業環境で自動運転システムが正常に稼働することを確認した。試験に使った6台の掘削重機は共同で地盤の3次元地図を作成し、それに基づく掘削計画を自動的に立案。互いの衝突を回避しながら「土砂を指定の位置まで運搬し排土する」という所定の課題をクリアできた。今後、ハードウェア耐久性の向上、自動運転機能を充実させ、現場適用に向け開発を進めていく。
近年、大雨の影響による河川氾濫、洪水の被害が深刻化し、被害を未然に防ぐ貯留施設の建造に同工法の採用が増え、大断面施工の需要が増大している。大断面ケーソンは、数十台の掘削重機が同時に稼働するため、同数のオペレーターが必要となるほか、単純作業で拘束することもある。一方で、熟練したオペレーターの確保が難しいため、ケーソンショベル自動運転システムの開発に着手した。
共同研究開発は、2013年4月から始まった。18年8月から20年3月にかけて国土交通省の助成制度を受け、20年2月に現場実証試験を実施した。対象となった現場は京都府長岡京市の「呑龍ポンプ場」のケーソン工事現場で、発注者は京都府流域下水道事務所。施工はオリエンタル白石・金下建設・ケイコンJVが担当している。
ケーソンの大きさは高さ42.7m、幅42.5m、奥行き39.5mで、掘削面積は1679㎡。
自動運転する掘削重機は、周辺地盤の3次元地図を逐次作成し、指定範囲の土山を認識して掘削・運搬・排土を実施した。複数の掘削重機が取得した地形情報を統合し、掘削重機同士がぶつからない移動経路を導き出している。
オリエンタル白石を傘下に持つOSJBホールディングスグループは、生産能力向上や生産体制強化、研究開発を目的として20年度から5年間で総額200億円の投資を予定し、オリエンタル白石のニューマチックケーソン工法自動化を最重要テーマの1つに位置付けている。
残り50%掲載日: 2020年8月26日 | presented by 建設通信新聞