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新会長・建築設備技術者協会 赤司 泰義氏/ニューノーマルをけん引
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>建築設備技術者協会(JABMEE)が6月25日に開いた定時総会・理事会で、新会長に赤司泰義東大大学院教授が就任した。幅広い領域をカバーする建築設備士は従来にも増して「存在意義が大きくなっている」とし、技術者の資質、地位向上に注力する。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うウィズ・アフターコロナの時代でも「ニューノーマル(新たな常態)をけん引していきたい」と力を込める赤司新会長に協会の運営方針などを聞いた。--抱負を
「さまざまな課題に直面している中で拝命され、身の引き締まる思いだ。関係者の協力を得ながら協会の発展に尽力していきたい。協会の定款には『建設設備技術者の資質及び社会的地位の向上を図る』とある。技術者の継続的な資質向上のために、会員向けコンテンツや情報発信の充実に取り組む。資質が継続的に向上すれば、社会的地位はおのずとついてくる。建築設備はわれわれの生活や活動を支える極めて重要な役割を担う。コロナ禍により、従来とは異なるレベルの健康性も求められている中、建築設備がニューノーマルをけん引する分野であることは間違いない。技術者の方々には従来の職域にとらわれず、自らの知恵、知識、技術、経験に基づいて大いに想像力を発揮してもらうことを期待している。そのためのベースとなる会員の学び、成長を後押ししていく」
--今後の重点取り組みは
「協会運営の見直しと災害対応などに取り組みたい。協会は2019年に創立30周年を迎えた。守っていくべき部分もあるが、急速な社会変化や技術進歩にも柔軟に対応していかなくてはならない。現状に合わない部分などを抽出した上で、未来志向の運営見直しも必要だと思っている。委員会の統廃合なども含め、20年度内に一定の方向性を固めたい。また、気候変動に伴って大規模な風水害が頻発していることから、建築設備の耐風、浸水対策のガイドライン的なものをとりまとめ、会員を始め、幅広い技術者が共有することで社会に貢献したい。耐風ガイドラインは早期に策定し、浸水については20年内をめどに一定の整理ができればと考えている」
--新型コロナ対応について
「ウィズコロナが当面続くという認識の共有が大事だと思っている。コロナ対応では、学術的知見に基づいた実務的・実践的な対策事例を収集し、早い段階で発信したい。また、協会職員の健康と安心を確保するため、3密回避や換気の実践などとともに、在宅勤務・時差出勤の組み合わせによる効率的な働き方をゼロベースで検討していく」
--入会促進に向けては
「19年度末の個人会員数は約8700人で前年度から約200人減少した。ピーク時の1989年には約2万人いたが、高齢者の退職に伴う退会と若手新規加入の伸び悩みで減少している。人口減少・少子高齢化の進展でやむを得ない部分もあり、会員数の増減に一喜一憂はしない。その上で新規加入の促進や高齢会員の維持を図るため、コンテンツの充実や入会条件の見直し、会費のあり方などを検討したい」
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(あかし・やすのり)1992年東大大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。2000年米国ローレンスバークレイ国立研究所留学(1年間)、09年九大大学院人間環境学研究院教授を経て、13年から東大大学院工学系研究科建築学専攻教授。専門は建築環境・設備。福岡県出身。66年11月13日生まれ、53歳。
【記者の目】
「従来の職域にとらわれず、建物の運用の中で中心的役果たしていくべき」。省エネ、再エネの活用、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)など、建築設備が果たすべき役割が多様化する中、「本質を一番知っている技術者の知見を生かし、ライフサイクルの中でイニシアチブをとっていくことも重要になっている」と力を込める。ウィズ・アフターコロナで建築設備技術者の更なる活躍が期待される中、新たな時代に適応した協会運営、技術者の資質・地位向上に向けた仕掛けづくりに注目したい。
残り50%掲載日: 2020年8月27日 | presented by 建設通信新聞