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宙に浮くIR構想/コロナ禍で自治体準備に遅れ 基本方針も先送り
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>安倍晋三政権が成長戦略の目玉と位置付けた、カジノを含む統合型リゾート(IR)構想が宙に浮いている。新型コロナウイルスへの対応に追われているためで、政府はIR整備地域の選定基準を示す基本方針の決定を半年以上も先送りしている。さらに安倍首相が辞任を表明。足踏み状態が長引く可能性があり、2020年代半ばとする政府の開業目標にも影響を与えそうだ。
「感染症の収束後は観光が再び回復していくと見込まれる。IRは観光先進国の実現を後押しするものだ」。安倍首相は6月9日の衆院予算委員会でこう強調し、コロナ禍でも構想を進める考えを改めて示した。
IRをめぐっては政府が19年9月、基本方針案を公表した。最大3カ所の整備地域を選ぶ際、地域との良好な関係や経済効果を重視することを提示。20年1月にも正式決定するはずだった。
だが、内閣府のIR担当副大臣だった秋元司衆院議員の絡む汚職事件が19年12月に表面化。IR事業者と政府関係者の接触ルールを加えるため、政府は基本方針の決定を先送りした。そこに新型コロナが追い打ちを掛け、政府関係者は「コロナ対応が優先で、決定時期は白紙だ」と話す。21年1-7月としている自治体から誘致計画を受け付ける期間の延期も視野に入る。
国の作業の遅れは誘致を表明した自治体の準備にも影響している。大阪府・市は目標としていた25年の大阪・関西万博前の開業を断念。横浜市はIR事業者の公募条件を定める「実施方針」の公表を先送りし、20年代後半としていた開業時期がずれ込むとの見方を示した。和歌山県、長崎県でも事業者の選定手続きが遅れている。コロナ禍で事業者の経営環境の悪化も懸念される。
また、先の汚職事件をめぐり、新たに証人買収事件が発覚した。IR構想への逆風は強まるばかりで、次期政権は難しいかじ取りを迫られることになる。
残り50%掲載日: 2020年9月1日 | presented by 建設通信新聞