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海外要員を国内シフト/コロナ禍で攻守の戦略シェア拡大狙う/日本工営
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>コロナ禍で海外での事業環境の不透明さが増す中、建設コンサルタント最大手の日本工営は、若手を中心にコンサルタント海外要員100人程度を国内稼働にシフトする。これによる生産体制増強を前提に、国土強靱化予算の積み増しなどで事業環境が良好な国内案件に積極応札し、さらなる国内シェアの拡大を狙う。技術と人財のシームレス化を進めることで国内外双方の案件に対応できる「ハイブリッド人財」の育成にもつながることから、コロナ後のグローバル展開を加速させることも視野に入れている。
1日に開いた2020年6月期決算説明会で有元龍一社長が明らかにした。今21年6月期計画の前提として、国内では緊急事態宣言、海外は主要都市のロックダウンなど、新型コロナウイルスの影響が最大かつ期中1年間継続することを想定。減収減益とした事業見通しを必達ラインとしつつ、実態と状況を精査しながら、コロナの影響なしとした場合の過去最高を更新する目標値を追求していく。有元社長は「最悪を想定しながら守りと攻めが両輪となった施策を講じていく」との考えを示した。
具体的には、人財の流動性を高めることによる業績確保や販管費・間接費の徹底したコスト削減、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進による次世代基幹技術開発の加速と生産性向上、コロナ危機対応からワークライフバランス確保への働き方改革のさらなる推進など、危機対応とともにコロナ後の成長を見据えた戦略的な施策を確実に実行していく。
特に7月に実施した組織改編により人財と技術の最適化を機動的に実施。JICA(国際協力機構)の技術協力や無償資金協力などのプロジェクト再開が来春となるなどコロナ禍の収束が見通せない中で、技術者の稼働率を維持していくためにも海外要員の国内案件への稼働シフトを進める。
都市空間事業も民間案件の減少が懸念されることから公共と民間の受注バランスを現行の50対50から65対35に見直す。またDXを駆使して都市課題解決のソリューションを提供するためのプラットフォームと基本モデルの構築にも注力していく。
20年6月期ではコンサルタント国内、海外とも過去最高の受注高となった。特に海外では期ずれの大型案件を複数受注するなど大きく伸長し、連結の受注高は前期比19.9%増の1416億3200万円、売上高も3.7%増の1126億0400万円とともに過去最高を更新。受注残高は21.7%増の1616億4400万円に達した。
現在の中期経営計画と長期経営戦略の最終年度であり、新長期経営戦略のスタートダッシュを図るための助走期間とも位置付ける21年6月期の計画では、コロナ禍の影響を最大限に考慮した必達ラインとして、受注高が25.9%減の1049億円、売上高は8.9%減の1026億円、営業利益は72.1%減の15億円と設定する一方、実態と状況を精査しながら、豊富な受注残を進捗させ、コロナ影響なしと想定した場合の目標である、受注高1234億円、売上高1283億円、営業利益76億円を目指して積み上げを図っていく考えだ。
残り50%掲載日: 2020年9月3日 | presented by 建設通信新聞