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  • 長尺ロックボルト打設/供用下の盤膨れに効果/飛島建設ら 無粉じん・無水施工

     飛島建設は、老朽化した道路トンネルなどの盤膨れ対策に用いる「無粉じん・無水鉛直二重管式削孔による長尺ロックボルト打設技術」を開発した。無粉じんで施工できることから、供用下であっても片側1車線だけ一般車を走行させながら、夜間施工を進めるなど、社会的な負荷を抑制できる点が特徴となる。効率的かつ効果的な対策手法として、積極的な展開を狙う。

     

     ボーリングマシンの製造などを手掛ける鉱研工業との共同開発となる。

     

     同社が提供する急速削孔が可能な専用マシンを採用する。削孔水を用いることなく、エアーで削岩するため、地山を傷めることなく安定的な削孔が可能。二重管式削孔によって、孔壁の崩壊を抑えながら、充填材の注入や鉄筋の挿入など地山に密着した確実なロックボルトの打設を実現した。

     

     独自に開発した粉じん処理プラントを組み合わせることで、掘削によって生じる切削粉を着実に回収。粉じんを発生させることがないため、供用下であっても通行車両に影響を与えることなく施工できるメリットもある。

     

     開発の背景にあるのは、インバートコンクリートを設置していない老朽化した山岳トンネルなどでの「盤膨れ現象」の顕在化。近年、対策を必要とするトンネルが増加していることが挙げられる。

     

     対策工としてインバートコンクリートの新設とロックボルト・鋼管の打設という2つの方法が考えられるが、とりわけ前者のインバートコンクリートの新設は多大なコストを要するだけでなく、施工に伴う通行止め(道路規制)など社会的な負荷が大きい。

     

     地山条件にもよるが、供用下であっても短期間で安定的に施工できる「盤膨れ対策工」としての技術開発が求められていた。

     

     新たに開発した無粉じん・無水の長尺ロックボルト打設技術は、10mを超す長尺のロックボルトを打ち込むことで得られる深部からのアンカー効果や、削孔水を用いないことによる安定した掘削(孔壁の維持)、供用下であっても片側1車線だけ一般車両を通しながら、対策工事を進めることができる“無粉じん”での施工といった要求性能を同時に満たす。

     

     既に埼玉県寄居の採石場で実施した試験施工によって、実際のトンネルでの施工を想定した削孔や施工サイクル、粉じんの発生状況など技術としての有効性を確認済み。今後の早期の適用が期待されることになる。

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    掲載日: 2020年9月11日 | presented by 建設通信新聞

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