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RC造建築物の柱梁接合部/地震時損傷を低減/鹿島 自社単身寮で初適用
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>鹿島は、RC造建築物の梁の曲げ性能を向上させながら大地震時の柱梁接合部の損傷を低減できる「RC造ヒンジリロケーション梁工法」を開発した。既に建築技術性能証明を取得済みで、10月に着工する自社の単身寮新築工事に初適用する。集合住宅を中心にRC造建築物への適用を目指す。
従来のRC造の柱梁架構は、部材の塑性化(計画的な損傷)で地震エネルギーを吸収するよう設計しており、塑性化する位置は梁部材の端部である柱際に設定する。ただ、大きな地震が繰り返し発生すると、損傷が梁端部の柱際だけにとどまらず、柱の内側にも影響を及ぼし、柱梁接合部が比較的大きく損傷することがある。柱梁接合部の補修は難しく、地震後の継続使用や早期復旧を考えれば、損傷を避ける必要がある。
RC造ヒンジリロケーション梁工法は、大地震時に梁に塑性化が起きる位置を梁端部の柱際からスパン中央方向にずらし、梁の曲げ性能を向上させ、補修が難しい柱梁接合部の損傷を抑えられる。塑性化位置は、梁の端部主筋に180度フック付き補強筋を添えることで実現する。フック付き補強筋は、細い径の高強度鉄筋とするため、部材断面を大きく変える必要はない。
構造性能確認実験では、梁の塑性化位置がスパン中央方向に移動し、地震時の柱梁接合部の損傷が低減したほか、梁の曲げ性能は従来工法と比べて10%程度向上した。梁主筋は、高強度鉄筋(SD490級)にも対応できる。
初適用する工事は「(仮称)南長崎単身寮新築工事」(東京都豊島区南長崎6-3)で、RC造5階建て延べ4177㎡の共同住宅・事務所となる。10月に着工し、2022年2月の完成を目指す。
残り50%掲載日: 2020年9月17日 | presented by 建設通信新聞