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菅内閣が発足/地方創生、強靱化に期待/利水ダムの洪水対策主導
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>16日の臨時国会で菅義偉自民党総裁を新首相に指名、菅内閣が発足した。菅内閣は、安倍政権の路線を継承し、新型コロナウイルス対策と経済立て直しの両立を図るとともに、外交・安全保障などの課題に取り組む。菅首相は過去、総務相時代から災害対応する地元企業の貢献を認めるべきという持論を展開していたほか、直近では従来規制を打ち破って利水ダムを活用した新洪水対策の枠組みも主導。成長戦略の実行と地方創生に加え、防災・減災、国土強靱化への継続的な取り組み実現に期待が集まる。
菅首相は、「デジタル庁」創設を目指し、縦割り行政の打破や規制改革を掲げた。この縦割り行政打破と規制改革は、菅首相にとって2006年第1次安倍内閣で初入閣した総務相時代からぶれることがなく一貫して主張し続けているキーワードだ。
この縦割り打破と規制改革が結果として表れたのが、19年の台風19号を受け政府が設置した「既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議」で官房長官として主導して、治水目的として使うことができなかった発電や農業用などの利水ダムでも大雨前に事前放流をして水害対策用に使える運用(新洪水対策)をことし6月からスタート。20年7月豪雨、台風9号、台風10号と立て続けに発生した大規模風水害に対して利水ダムの事前放流を実施した。
菅首相にとって総務相時代からもう1つ、一貫するキーワードがある。人口が減少する中での地方と地域企業・産業のあり方、いわゆる地方創生だ。この古くて新しい問題は菅首相が総務相時代、地方分権を進める中で浮上した地方自治体の公共調達改革に対する当時の発言からもうかがえる。
07年、日刊建設通信新聞社のインタビューに対し、菅総務相は「地方の元気がなくなっている理由の1つには、地元の建設業が公共工事減少の中で衰退していることがあると思う」とした上で、「ただいままでのようなことを続けていくことができないというのもまた現実。地域の事情にあった産業に転換してもらうのがこれからの道だ」と主張。
さらに当時、ダンピング(過度な安値受注)対策や総合評価が地方自治体で浸透しないことに対し、「ただ安いだけでは不十分だという判断は必要」と失格基準導入にも言及したほか、「地域貢献もオープンな形できちんと評価することが大事」「真面目でいい仕事をしている企業は評価されるべきだ」と明言していた。
安倍政権の政策継承、新型コロナ対策と経済再生両立を打ち出す菅政権にとって、GDP(国内総生産)の最大の柱である消費や設備投資意欲の喚起とともに、人口減少・高齢化が先行して進む地方の活力復活も重要政策になる。地域産業として今後も災害対応など地域貢献する建設企業にとって、菅政権発足はさまざまな取り組みを実現する追い風と映りそうだ。
残り50%掲載日: 2020年9月17日 | presented by 建設通信新聞