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  • 著しい短工期を明確化/働き方改革念頭に運用/国交省が業法遵守指針改正

     国土交通省は9月30日、1日の改正建設業法の施行にあわせ、『建設業法令遵守ガイドライン』を改正した。改正法に著しく短い工期による請負契約の禁止規定が盛り込まれたことを踏まえ、関連する項目を新設し、判断材料や判断の視点について記載した。法改正の主要な目標である建設業における働き方改革の推進を念頭に運用するため、違法な長時間労働などを前提とした工期短縮が「著しく短い」と判断されるという解釈を明確化した。

     

     元下間の取引適正化を対象とした『建設業法令遵守ガイドライン』と、受発注者間の契約適正化のための『発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン』の両ガイドラインを改正した。

     

     著しく短い工期の判断については、定量的な工期の短さではなく、工期短縮によって就労者に長時間労働が発生するなど、その影響に着目して行うことを明確化した。具体的には、中央建設業審議会が作成・勧告した「建設工事の工期に関する基準」で示されている内容を踏まえることなく契約を締結し、結果として違法な長時間労働など不適正な状態で工事を施工することになるかどうかなどを判断の視点に位置付けた。

     

     その際、判断材料とするのは、締結された契約内容と過去の同種類似工事の実績だけでなく、見積依頼の際に元請けが下請けに示した条件や下請けが提出した見積内容、元下両者の工期に関する認識などを総合的に勘案する。加えて、賃金台帳などで長時間労働の有無も確認する。

     

     定量的な工期の長短だけでは法に抵触することはないことから、裏を返せば、生産性向上技術の活用やコストを増やして多くの人材を投入することなどによる工期短縮は問題ないと言える。一方で、改正労働基準法で規定される時間外労働の上限規制を上回るような違法な労働時間を前提に設定されている工期は、たとえ元下、受発注者間で合意があったとしても、「著しく短い工期」と判断される。

     

     また、当初契約の締結後、工程に遅れが生じたり、工事内容に変更が生じた際の工期を変更するための契約にも適用される。「下請(あるいは受注者)の責めに帰さない理由で契約を変更する際、通常よりもかなり短い期間を工期とする請負契約の締結」を建設業法違反となる恐れがある行為事例として示している。

     

     その他の改正内容として、下請代金の労務費相当部分については現金で支払うよう配慮を求める規定が新設されたことを受け、元請けに下請代金の全額手形払いや労務費相当分に満たない額の現金払いは建設業法上望ましくない行為であると明記。それに付随して、発注者に対してもできる限り現金による支払いが望ましい旨を記載した。

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    掲載日: 2020年10月1日 | presented by 建設通信新聞

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