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新旧ルートが開通/最新技術で早期復旧実現/熊本地震被害の国道57号
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>2016年熊本地震の大規模斜面崩壊で通行不能となった阿蘇大橋地区の国道57号現道と、代替道路となる北側復旧ルートが3日、同時開通した。熊本都市圏と阿蘇地域のアクセスルートが回復し、新たな広域観光周遊ネットワークの形成が期待される。
熊本地震の本震で長さ700m、幅200mの大規模な斜面崩壊が発生し、斜面下部の国道57号、JR豊肥線を寸断した。国道57号に接続する阿蘇大橋も落橋した。
九州地方整備局による斜面対策事業は、多数の機械の集中投入を可能とするネットワーク対応型の無人化施工技術や、調査から管理まで一連のプロセスでICTを活用したi-Constructionを導入した。工事規模は、土留盛土工約400m、斜面対策工約10万㎡、鋼製土留工約1700mに及んだ。
道路工事は、斜面崩壊部や両側の決壊部を復旧した。開通区間は長さ2㎞となる。JR豊肥線は先行して8月に開通済み。阿蘇大橋の架け替えは、21年3月ごろの完成を予定している。
北側復旧ルートは、阿蘇市赤水~大津町引水の長さ約13㎞の自動車専用道路。二重峠トンネル(長さ3659m)などで構成し、トンネル工事では、ECI(施工予定技術者事前協議)方式を採用するなど、工期短縮を図った。
この日は、現道部と北側復旧ルートの各区間で開通式が開かれ、ともに大西英男国土交通副大臣、坂本哲志内閣府特命担当大臣、村山一弥九州地方整備局長、蒲島郁夫熊本県知事、地元自治体の首長らが出席し、テープカットやくす玉開披などで祝った。現道部は、斜面対策事業完成式を兼ね、斜面崩壊を「数鹿流(すがる)崩れ」と命名し、石碑の除幕を行った。
開通式であいさつした大西副大臣は「この開通が熊本新時代、九州新時代の幕開けになることを祈念する」と述べた。蒲島知事は、「地域住民の生活はもとより、阿蘇地域、ひいては熊本県全体の観光や経済の回復を加速化する」と期待した。また、全国的に大規模災害が頻発する中、「地方公共団体を支援する地方整備局の増員をお願いする」と出席した国会議員らに要望した。
このほか、登壇した来賓や、住民のビデオメッセージでは、最先端技術の活用で早期復旧を実現し、昼夜を問わず作業した建設業への感謝の声であふれた。
残り50%掲載日: 2020年10月6日 | presented by 建設通信新聞