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地中連続壁/掘削形状 3次元で可視化/効率アップ、工程25%短縮/清水建設
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>清水建設は、地中での掘削機の位置や姿勢、掘削形状を3次元で可視化する地中連続壁の「リアルタイム施工管理システム」を開発した。都市圏の大規模プロジェクトで採用される地中連続壁の掘削作業の一層の効率化が狙い。実際に従来との比較で掘削工程のサイクルタイムを20-25%も短縮できる。10%以上のコスト削減効果も見込めるという。
大深度地下を利用して道路や鉄道を建設する場合に必要となる立坑や、敷地境界に沿って大規模な根切りを行う場合の土留壁など、地中連続壁の施工は専用の掘削機を使って、おおむね3m×2mの溝を掘削しては鉄筋籠を建て込んで、コンクリートを打設するという作業を繰り返す。
クレーンで吊り下げた掘削機によって掘削作業を進めるオペレーターは、モニターに表示される掘削機の底面と掘削計画線が一致するように推進方向を制御するが、地盤の固さなど条件が不均一だと、計画線通りに掘進するのが難しい。これまで掘進しながら、掘削形状をリアルタイムに確認する方法もなかった。
新たに開発した「リアルタイム施工管理システム」は掘削機の位置・姿勢と掘削形状を3次元で可視化しながら、掘削断面に欠損が生じている個所を色分け表示する機能を併せ持つ。
地上に設置した計測器と掘削機をつなぐ2本のワイヤーの吊り元の水平座標や、ワイヤーの巻き出し長、掘削機に設置した傾斜計などの計測データから掘削機の位置や姿勢を算出。その3次元データをストックしていくことで、掘削形状を可視化する。
仮に掘削断面に欠損が生じた場合はオペレーターがその都度、再掘削することで設計どおりの掘削断面を確保していく流れだ。
これまでも計測データは収集していたが、2次元での可視化になっていた。計測データをストックしていなかったためリアルタイムに掘削形状を確認できず、所定の深度まで掘削してからいったん掘削機を引き揚げて、超音波計測器を溝に挿入して掘削形状を計測。必要に応じて再掘削する手順を踏んでいた。
掘削形状を3次元で可視化する「リアルタイム施工管理システム」を活用することで、掘削機を引き揚げてから計測、再掘削するという手間を削減。掘削作業の一層の効率化につなげる。地中連続壁を採用する現場に水平展開することで、全体としての生産性の向上を狙う。
残り50%掲載日: 2020年10月14日 | presented by 建設通信新聞