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  • 竹中工務店、竹中土木/原位置浄化システム「温促バイオ」/世界初、地盤加温+注入制御

    【期間とコスト 大幅に削減】

     

     竹中工務店と竹中土木は、クロロエチレン類(VOC)に汚染された地盤に対する低コスト・短工期の原位置浄化システム「温促バイオ」を開発した。微生物による分解を活性化させる地盤への「加温」機能と加温した浄化剤を均一に注入する「制御」機能を併せ持つ点が特長。土壌汚染で土地の有効利用が進んでいない“ブラウンフィールド”への積極的な展開を狙う。

     

     地盤を「加温」する機能と、蛍光トレーサーを用いて加温した浄化剤の拡散の状況を見える化する「制御」機能を両立させた世界初のバイオスティミュレーションによる原位置浄化システムとなる。

     

     新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の戦略的省エネルギー技術革新プログラムの助成を受けて、横浜国立大学、岡山大学との共同研究によって開発した。

     

     土壌・地下水汚染の存在や、対策に要する期間・コストによって、土地の有効利用が停滞している用地(ブラウンフィールド)を中心に「温促バイオ」を提案することで、ユーザーの土地利用を積極的にサポートしていく。

     

     新たに開発した「温促バイオ」は、温水を混ぜた「加温浄化剤」を地盤に注入することで、一般的に約15-17度となっている地盤の温度を現地の地盤に存在する土着の微生物が活性化する約25-30度に加温して微生物によるVOCの分解を促していく仕組み。

     

     浄化剤と一緒に地下水の流動調査などで用いる蛍光トレーサーを投入して、加温した浄化剤の地盤での拡散状況を見える化することで、浄化剤が均一に行きわたる浄化システムの最適な運転制御を行う。

     

     土着の微生物ではなく、外部で培養したVOC分解微生物に組み替えれば、より高濃度のVOC汚染への対策にも適用できる。

     

     微生物の働きを利用したバイオレメディエーションによる対策は、汚染サイトに生息している微生物を活用する「バイオスティミュレーション」と、外部で培養した微生物を投入する「バイオオーグメンテーション」に大別される。

     

     温促バイオは、多大なコストを要する「掘削除去」による対策や掘削除去よりも低コストだが、高濃度汚染の用地や土着の分解微生物が存在しない用地への適用が難しい従来のバイオスティミュレーションの課題を解消。掘削除去の約半分程度のコストでありながら、従来のバイオスティミュレーションとの比較で浄化期間を50%以下にまで短縮することができるという。

    残り50%
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    掲載日: 2020年10月16日 | presented by 建設通信新聞

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