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使用電力を“自給自足”/「森の中のオフィス」/オフグリッド継続 /清水建設が設計施工
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>清水建設の設計施工で2013年5月に竣工した山梨県北杜市の中規模オフィス「森の中のオフィス」(発注者=生長の家)が、3月1日から商用電力を一切使用することなく、建物の電力需給をバランスさせる「オフグリッド運用」を継続している=写真。オフィスビルの使用電力を完全に自給自足するオフグリッド運用は国内で初の試みとなる。
2階建ての木造6棟で構成する森の中のオフィスの規模は延べ8154㎡。電源を商用電力網(グリッド)から切り離して8カ月近くが経過する中、当初の計画どおりに太陽光発電とバイオマス発電、蓄電池が補完し合うことで、電力需給をリアルタイムでバランスさせているという。
もともと冷暖房と照明の負荷を低減する技術の導入によって省エネルギー化を図りながら、 使用する電力を太陽光発電とバイオマス発電、蓄電池、商用電力で補うZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル) 化を目指していたが、実際はオフィス利用者の環境意識の高さから、 13年7月の運用開始から7年間は発電量が消費電力を上回るPEB(ポジティブ・エネルギー・ビル)として機能していた。
環境負荷の一層の低減を求める発注者の要請を受けて、蓄電池の更新のタイミングでオフグリッド化による電力の完全な自給自足を実現。いわば本質的なRE100(再生可能エネルギー100%)として、3月から「オフグリッド運用」を続けている。
オフグリッド運用における発電設備と蓄電池の故障リスクや保守への対応から、蓄電池2セットで暖房負荷の大きい11月から4月の1日当たりの消費電力量(最大値)の2倍以上となる蓄電池の容量を確保した。
蓄電池2セットを並行して稼働させることで、それぞれが充電・放電を繰り返しながら、目標蓄電量まで充電させる仕組みを取り入れた。
同社が開発した「シミズ・スマートBEMS」によって発電・蓄電・放電をリアルタイムで制御。最適な蓄電池容量の設定やさらなる環境負荷の抑制に向けた太陽光発電の優先稼働、電力需給のリアルタイムでのバランスや急激な過充電・過放電からの蓄電池の保護といったオフグリッド運用の課題に対応している。
残り50%掲載日: 2020年10月21日 | presented by 建設通信新聞