当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 連載・混迷の先へ・建築設計事務所◆9◆佐藤総合計画/細田雅春社長

    【「未来を見せる力」に磨き/より良い社会の構築に貢献】

     

     「建築は単に受注した仕事をこなすだけの行為ではなく、未来に語りかけるビジョンを示す、社会への先行投資でなければならない」。佐藤総合計画の細田雅春社長は、新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界が困惑している時だからこそ、混沌の中からテーマを導き出し、社会に問いかける「課題設定力」が建築設計事務所に求められていると強調する。10月1日に迎えた創立75周年を1つの節目に、問題を投げかけながら、より良い社会の構築に貢献する使命を再認識し、「未来を見せる力」を一層磨く。

     

     新型コロナの世界的大流行を、「日本にとって、文明の分岐点、反省を踏まえて将来を考える立脚点になっている」と捉える。これまでは過去からの延長線上で都市や文明を享受してきたが、デジタル化の波にコロナ禍も加わり「バーチャルとリアルを重ね合わせた、これまで経験をしたことのない世界がスピードを速めて迫ってくる」と指摘。この大きな変革期が、デジタル化への遅れを取り戻し、「都市やまちづくりに、いかにしてデジタルな環境を落としこんでいけるかを考える好機でもある」とみている。

     

     将来の都市・まちづくり には、「スマートシティー、スーパーシティー、そしてコロナによって示されてきた社会のデジタル化の流れを組み入れたコンパクトシティーを重層的に 重ね合わせる発想が重要になる」とし、『デジタルとの融合』には「政治主導による戦略的なビジョンづくりが欠かせない」と訴える。

     

     「デジタルの動きと アナログ的な人間の動きが、新しい形で重なり合ってこそ、本当にスマートな都市の姿を日本から発信することできる」。とはいえ、デジタル化は 手段であって目的ではない。“手段の目的化”を食い止めるためにも、「設計事務所が正しい方向性を先導する必要がある」 との見解を示す。

     

     コロナ禍による業績への影響については、ホテルなど民間施設がテナントの案件や、税収減に伴う公共案件の縮小による影響を多少受けるものの、「大きく業績が落ち込むことはない」とみている。

     

     海外では、世界の主戦場になっている中国を中心に グローバル社会の中で取り組む べき課題に挑戦していく。「利益を上げようとは思っていない。世界レベルでの 競争力を身に着けていく」というスタンスで臨む。

     

     生産性向上に向けては、BIMの活用促進に引き続き注力する。一方、国内での普及に向けては「日本の場合、設計者と施工者のBIMが異なるため、成果が発揮できない」と指摘し、設計事務所が先頭に立ったプラットフォーム構築の必要性を主張する。

     

     「世界をより良い方向に変えていくために顧客、社会と一緒になって考える力の強化に精力を注いでいく」とし、これまで実践してきた「健康」「教育」「エンターテインメント」の3つの要素を軸に存在価値を高める。IT化、グローバル社会、少子高齢化が進展する中で、複雑化、多様化するニーズに対する“最適解”を探求し、夢を託せる未来の建築・都市・まちづくりを提示する使命を果たし続ける。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2020年10月26日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事