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連載・混迷の先へ・建築設計事務所◆11◆伊藤喜三郎建築研究所/原 勇次社長
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【新たな働き方を具体化/文教・物流分野の受注に注力】
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を、良い意味で働き方改革を前進させる「きっかけ」と捉えている。伊藤喜三郎建築研究所の原勇次社長は、「年内をめどにロードマップをつくり、できる部分から慎重に、かつスピード感をもって順次実施していく」と、新たな働き方の具体化に意欲をみせる。「着実に成果を上げている」という文教、物流分野での受注にも引き続き力を注ぎ、医療・福祉分野で蓄積してきたノウハウを生かした新たな収益の柱づくりを積極的に推進する。
前期(2020年7月期)は、コロナの影響で一部の受注が影響を受けた。民間設備投資の抑制や地方自治体の財源不足の影響により、「今期以降、受注に影響が出てくる。2、3年は尾を引く」とみている。
コロナ禍を受け、現在は週2回の在宅勤務と時差出勤を実施している。「コロナという、いわば外圧によって意識が大きく変わってきている。今後は、リモートワークを含めた働き方の多様化が当然の流れになってくる」ことから、今春に若手の執行役員が中心になって立ち上げたワーキンググループで新たな働き方の方向性を検討している。
在宅勤務については、効率が上がったケースとそうでないケースがあり、管理職からはマネジメントが難しいという意見も上がっているが、「生産性の確保とマネジメントの課題さえ整理できれば、大きく働き方改革に踏み出すことができる。ダメなら再検討していけば良いというスタンスで、できるところから取り組む」と、年内に策定するロードマップに基づいた改革を前進させる。
今後の受注戦略については、着実に成果を上げる文教、物流分野での取り組みに引き続き注力する。「数年先まで需要が見込める」という物流分野で攻勢をかけるほか、「まちづくりの一角として誘致した病院と合わせて整備する文教施設や商業施設などの提案でも力を付けていく」と、複合的な提案力の強化にも力を入れる。
主力の医療・福祉分野では、コロナの影響による経営悪化などマイナス要因もある一方、「医療の重要性が再認識された」とし、国による支援の動向を注視する。
コロナ対応で病院からの相談も数多く受けている。ある病院がコロナの感染病棟を設置する際には、行政手続きなども含めて支援した。
コロナ禍で先の読めない状況だからこそ、「原点に立ち返り、業務の質をこれまで以上に高める必要がある」と強調し、ウィズ・アフターコロナ時代のソリューションに磨きをかける。
「基本設計レベルは対応している」というBIMの取り組みについては、所員間の能力や使用頻度の濃淡をなくすため、「徹底して使用を促す」と、全社的なスキルの向上を推進する。「本社の設計部では、BIMを使っている所員の残業時間がより少ないというデータもあり、生産性向上に寄与している」ことから、BIM推進設計室の主導により、一層の活用促進を図る。
残り50%掲載日: 2020年10月28日 | presented by 建設通信新聞