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国と自治体 足並みそろえて/ 全国営繕主管課長会議/公共建築設計の働き方改革で共通指針/発注者が配慮すべき事項整理
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>国土交通省と都道府県、政令市で構成する全国営繕主管課長会議は28日、『働き方改革に配慮した公共建築設計業務委託のためのガイドライン』を作成した。公共建築の設計に携わる受注者の働き方改革を後押しするため、発注者として留意すべき事項をまとめている。時間外労働の上限規制の適用対象となっていることや改正公共工事品質確保促進法(品確法)に基づく働き方改革への対応が発注者の責務とされたことを踏まえ、国交省と地方自治体が足並みをそろえて取り組みを推進する。
改正労働基準法に基づき、2019年度に施行した罰則付き時間外労働の上限規制は、20年度から建築設計事務所の多くが該当する中小企業にも適用となった。19年の品確法改正では、建築設計業務を含む「調査等」が同法の対象となることが明記されるとともに、公共工事における適正な工期設定など働き方改革への対応が発注者の責務として規定された。
法改正を受け、国交省官房官庁営繕部は、日本建築士事務所協会連合会、日本建築士会連合会、日本建築家協会の建築設計3会との意見交換を実施。設計業務を担う受注者側の意見も踏まえて、発注者側が留意すべき事項をことし3月に国交省がガイドラインとしてまとめた。
今回は国交省版のガイドラインについて、参考資料などを充実させ、都道府県・政令市が参加する全国営繕主管課長会議として、国交省と自治体共通のガイドラインを作成した。自治体発注工事でも設計業務の受注者の働き方改革に配慮することが明確化された。市町村には都道府県から周知を図る。
ガイドラインの主な内容は、▽適正な履行期間の設定▽手戻り防止のための設計業務プロセス管理▽業務環境の改善と生産性向上▽履行時期の平準化と適切な業務発注--の4項目。
適正な履行期間の設定については、週休2日や休暇時期などの不稼働日に加え、法令などに基づく許認可手続きや施設管理者との協議、近隣説明、発注者による設計・積算内容の確認・審査などに要する期間を考慮することを記載。敷地測量と地盤調査は設計工程に影響しないよう、適切な時期に計画・実施する。
受注者側からのニーズが高い手戻り防止には、クリティカルパスを考慮した業務スケジュール管理表や調整事項一覧表の活用によって進捗や課題の対応状況の見える化を図り、受発注者間の意思疎通を徹底する。特に、全体工程の中の各目標時期(マイルストーン)を厳守することを受発注者双方で共有する。
設計業務の発注前には、設計条件を決定し、企画書や基本計画として明確化することを規定。あらかじめ、設計方針・内容を審査・確認する体制を整え、適切なタイミングで企画内容への対応状況を確認・指示することで、設計方針・内容の変更による手戻りがないように努める。
金曜の依頼や月曜期限の依頼をしない、業務時間外の会議をしないといった業務環境改善の取り組み(ウィークリースタンス)にも配慮するとともに、テレビ会議や情報共有システムなど業務の効率化につながる取り組みも採用する。
改正品確法の規定に基づき、発注・履行時期の平準化のための取り組みにも努めることとする。プロポーザル方式の発注では、技術提案書の作成期間が大型連休や年末年始、夏季休暇を含んだ期間に当たる場合は、十分な作業時間を考慮することとする。
残り50%掲載日: 2020年10月29日 | presented by 建設通信新聞