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DXの取り組み強化/自動・自律化技術で行程表/2021年度に産学官協/3Dデータの指針策定も/国交省
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>国土交通省は、2021年度にデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを強化する。建設施工分野は、自動化・自律化技術のロードマップを策定し、産学官を挙げて導入に取り組む。ICT施工のさらなる普及に向け、3次元データ作成のノウハウがない中小建設業向けのガイドラインもまとめる。21年度予算の概算要求に関連経費を盛り込んだ。
建設施工の自動化・自律化技術に関しては、導入のあり方を検討する産学官協議会を21年度に設置し、5-10年先を見据えたロードマップをまとめる。国交省はその後、現場導入に向けた技術基準を検討するなど、ロードマップの達成に必要な環境を整備する方針だ。
自動化・自律化技術の導入や実験は、大手ゼネコンを中心に取り組みが進められている。鹿島は、人間がタブレット端末を使って複数の建設機械に作業計画を指示することで、無人自動運転による施工技術を開発し、建設中の成瀬ダムで活用。熊谷組は、AI(人工知能)制御による不整地運搬車の自動走行技術を開発し、16年の熊本地震で崩落した阿蘇大橋の現場に導入した。大林組は、土砂の積み込み作業を自動化するバックホウ自律運転システムを開発した。
協議会の設置により、個社の取り組みに横串を刺し、目標を共有して産学官で導入を進める。24年4月に時間外労働時間の罰則付き上限規制が建設業に適用されることを踏まえ、建設施工の生産性向上を進める狙いだ。
3次元データ作成のガイドラインは、デジタル専門人材がいない中小建設業向けのテキストとすることを念頭に、ソフトウェアの使い方や3次元データ作成の注意点、3次元データを活用した出来形管理のポイントなどを明示した内容とする。策定に当たって委託業務を21年度に発注する予定だ。
AIがインフラの点検画像から変状を自動的に検出し、人の判断を支援する取り組みを促進するため、AI開発支援プラットフォームも21年度に立ち上げる。土木技術者の正しい判断を基にした「教師データ」を国交省が整備・提供し、教師データにAIの開発者がアクセスできるプラットフォームを整える。
立ち上げに向けて開設準備ワーキンググループ(WG)を18年度に設置し、良質で効率的な教師データ整備のあり方や、点検に関するデータの取得・保存・分析・活用を円滑に実施するデータ基盤のあり方を検討するなど、準備を進めてきた。WGには、建設コンサルタントなどから18社・団体が参画している。
建設施工分野のDXとしてはこのほか、パワーアシストスーツなど人間拡張技術の社会実装に向けた環境整備、インフラ点検用AI技術の性能・活用効果を確認する現場実証、新たなICT機器に対応した技術基準類の改定に取り組む考えだ。
残り50%掲載日: 2020年10月30日 | presented by 建設通信新聞