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6割が検討中か廃止済み/計画ない自治体は他市を注視/神奈川県と県内19市押印廃止動向調査
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>神奈川県と県内19市のうち6割で、工事や委託業務など発注に関わる契約手続き関係書類の押印廃止を検討中か既に廃止していることが、日刊建設通信新聞社の調べで分かった。検討中は神奈川県や県内政令市3市を含む計11自治体、計画なしが8自治体で、横須賀市のみ既に見積書や請書など計28種の書類で押印を廃止していた。
調査はアンケート方式で、神奈川県と県内の全市を対象に10月27日から11月5日にかけて全自治体から回答を得た。
押印廃止をめぐっては、政府や経団連などが7月、行政手続きなどで必要な“押印・対面”などを原則とした慣行の見直しに向け、共同宣言を発表した。新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐことが目的で、全国の一部自治体ではこの宣言に沿う形で取り組みをスタートしている。県内でも神奈川県や海老名市、茅ヶ崎市などが同月に検討を開始した。
9月には、河野太郎行政改革担当相が行政手続きの“ハンコレス化”への意欲を示した。これが後押しとなり、政府や都道府県などで各種書類の押印廃止に向けた取り組みが加速する。このタイミングで押印廃止検討を始めた横須賀市の動きは早かった。
同市は、従来からコロナ禍で事業者の負担軽減につながる取り組みを模索していたものの、具体化には至っていなかった。
そんな中、河野行革相の押印廃止宣言が飛び込む。そこで9月25日から本格的に検討を開始。押印省略可能書類を洗い出し、1週間後の10月2日には廃止実施を決定、26日以降の案件から見積書や請書、着手届けなど計28種の書類で押印を廃止した。
横須賀市と同様、検討中と答えた自治体の多くが、河野行革相の呼び掛けから本格的に始まった国の押印廃止の動きをきっかけに、取り組んでいる。川崎市では「契約課内で、押印が必要な入札・契約関係書類を洗い出している」、綾瀬市は「押印廃止できるものを抽出する作業をしている」、相模原市は「10月から庁内でプロジェクトチームを立ち上げた」
現状廃止計画がない自治体の大多数は、他市の動向を注視している。三浦市は「県内の他自治体の動向を見ているところで、具体的な検討はまだ始めていない。ただ、今後他自治体の動向なども踏まえながら、押印廃止を検討する可能性はある」という方針を示す。
今回の調査により、都道府県や県庁所在市などの大規模自治体だけでなく、地方にもその流れが広がり始めていることが鮮明になった。
“脱ハンコ”を始めた自治体は少なく、その効果や影響は未知数だ。ただ、工事など受注者の負担軽減や新型コロナウイルス感染症拡大防止、ハンコ押し忘れによる再来庁・再送付などといった状況回避には間違いなくつながるだろう。押印廃止を検討中の全自治体が廃止時期は未定としているものの、近いうちに従来の慣習とは異なる“新たな日常”が全国的に一般化するかもしれない。
残り50%掲載日: 2020年11月9日 | presented by 建設通信新聞