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コロナ禍でも安全文化醸成/前田建設 爆発・火災救護訓練
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【ウェブツールで全国本支店つなぐ/次回以降建築にも拡大】
前田建設は7日、2008年度から毎年春・秋の2回開催してきた「前田救護活動隊」(MRT)の第26回定期訓練を開いた。トンネル・建築現場での爆発・火災事故の発生を想定した救護訓練で、春の現場訓練はコロナ禍で中止となったものの、今回は合同訓練を実施している坑内掘石炭生産会社・釧路コールマイン(KCM、北海道釧路市)と本社・支店をウェブツールでつないで実施した。集合訓練ができない中でも開催した理由についてMRT隊長の松澤郷至経営革新本部事業変革室上級技師長は「助けに行くことが目的ではなく、安全に対する意識を啓発することが主目的。多少の不便を強いられても実施すべきと判断した」と力を込めた。
MRTは、過去の爆発・火災事故の教訓を踏まえ、事故の際に的確に状況判断して捜索・救護活動できる職員を育成・組織化することを目的に07年に創設。毎年、春の現場訓練と秋の釧路でのKCMとの合同訓練を実施してきた。今回の訓練には、全国の本支店の隊員26人と、指導を担当するKCMの隊員2人の28人が参加した。
冒頭、前田操治社長は「MRTでのオンライン活用を模索する意味でも、あえて開催した。大事故の教訓を風化させてはいけない。訓練を通して技術獲得だけでなく、災害の恐ろしさを感じ、安全への姿勢・意識の向上につなげてほしい。全社員、協力会社、グループ会社で内容・姿勢を共有してグループ全体の安全文化の形成に寄与すれば」とあいさつした。続いて中西隆夫代表取締役専務執行役員土木事業本部長も「会社を挙げて、安全に向き合う姿勢を醸成してほしい」と呼び掛けた。訓練開始に当たり松澤隊長は「MRTも変革期を迎えている。ここからこそが力の見せ所だ」と隊員を鼓舞した。
訓練は、使用する酸素呼吸器の点検・組立の様子をウェブツールで確認した指導役のKCM隊員が厳しい口調で問題点を指摘するなど、 マンネリを排除した張り詰めた空気の中で進行した。 点検・組立訓練後、救護活動講義、救護技術訓練、事故事例の原因・対策例討議などを実施した。
松澤隊長は「火災事故が起きれば、いかに何もできないかということを一般職員にも伝えたい」と活動意義と今後の活動への意欲を語った。オンラインでの訓練について中西本部長は「通常の訓練と同様に実施できている。このような状況下でも継続できることを確認できた」とした。
次回以降は、活動を建築部門にも広げ、建築部門職員で構成する「体験班」を立ち上げる予定だ。
残り50%掲載日: 2020年11月10日 | presented by 建設通信新聞