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ダム放流計画を自動作成/下流ピーク流量最大8割低減、10分以内に立案/日立製作所ら
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>日立製作所と日立パワーソリューションズは15日、ダム放流計画の自動作成技術を開発したと発表した。大雨による河川はん濫の最小化に向けて実効性ある対策の確立を支援する。新たに開発した数値最適化手法「プログレッシブ動的計画法」を使うことで、放流時に下流の河川流量などを可能な限り抑える放流計画を短時間で自動作成する。日立パワーソリューションズはこの技術を活用して、放流計画立案などダム管理業務を支援するソリューションの提供を2021年度に始める予定。
作成する放流計画は、大雨に先立ちダムの水位を下げる「事前放流」と、上下流の複数のダムの貯留や放流のタイミングをずらす「ダム連携」の対応を組み合わせる。ダムの放流量を急激に変化させないよう、放流量の増加を一定の値以下にする「放流の原則」などの現場ルールを順守する。
両社は、オープンデータを利用して河川上流にある3つのダムを対象にシミュレーションしたところ、一般的な事前放流やダム連携を実施しない放流計画では、ダムが満杯になり緊急放流したのに対し、開発技術では100年に1度の規模の大雨でも緊急放流を回避しつつ、下流のピーク流量を最大で約80%低減し、浸水を発生させない計画を10分以内に立案できることを確認した。
また、1000年に1度の規模の大雨で浸水が発生する場合も、浸水面積の95%の低減が可能だ。
具体的なダム放流計画の作成は、連携する複数のダム同士の放流量とタイミングを最初はごく粗く計算し、その後は「放流の原則」などの現場ルールを満たしつつ、徐々に細かい計算を繰り返すことで、短時間で放流計画を算出する。
技術の一部は、情報処理学会が17日からオンラインで開く「第131回数理モデル化と問題解決研究発表会」で発表する予定。
残り50%掲載日: 2020年12月16日 | presented by 建設通信新聞