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農業用水でナノ発電/21年度の商品化目指す/金沢工大ら実証実験
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>金沢工業大学と国際高等専門学校、東プレ(東京都中央区、内ヶ崎真一郎社長)は、農業用水を利用したナノ水力発電の実証実験を始めた。近年普及しつつある小水力発電装置よりもさらに小型の発電装置で、石川県下吉谷町の養鯉場に設置した。2021年度中の商品化を目指す。
ナノ水力発電システムは、パイプラインから取水して装置中央にある直径100mmのデュアルタービンを回転させ、両端の発電機で発電する。東プレが強みとする塑性加工と流量制御、インバータ制御技術、金沢工大の杉本康弘教授が専門とする流体工学を生かして開発を進めており、同大ロボティクス学科の鈴木亮一教授、国際高等専門学校機械工学科の伊藤恒平教授が参画している。
中山間部の用水路など、従来の小型水力発電装置も設置しにくかった場所でも設置できる。用水の一部を取水するため、水量変化による発電量の変動が少なく、1日中安定した出力で発電可能だ。設置場所の発電ポテンシャルによって発電量は変化するものの、19年度の検証では、一般家庭の平均消費電力2世帯分に当たる1kWを超える発電量を確認した。発電電力は、パワーコンディショナーで100ボルトに変換し、一般電力として使用でき、余った電力はバッテリーに蓄電できる。
20年度の実証実験では、養鯉場に必要な水中ポンプ・エアポンプ、自動給餌器、実験データ収集に必要な計測器、データを送る通信機器、連続稼働状況を確認する遠隔装置、照明などを設置し、それらで使う電力をナノ発電システムで発電する。長期間の連続発電による塵芥除去の課題やシステムの効率性・耐久性を検討する予定だ。
残り50%掲載日: 2020年12月16日 | presented by 建設通信新聞