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  • 竹中工務店/超高層向け新制振システム/ダブル心柱で地震エネ吸収

     竹中工務店は、超高層マンションなどに対応した「THE制振ダブル心柱システム」を開発した。制振ダンパーを備えた「心柱」による新たな制振システムで一般的な耐震構造と比べ、住居部分にかかる地震の力を最大50%低減。住戸部分の耐震壁やブレースが不要で、自由度の高い住居レイアウトも実現する。

     

     超高層建築物にエレベーターパーキングスペースを兼ねたRC造の「下部心柱」と、鉄骨トラス製の「上部心柱」を設置。2つの心柱の中間(制振層)に配置したダンパーが地震動によるエネルギーを吸収する。通常構造体が変形して吸収する地震エネルギーの約2分の1をダンパーが吸収することで、住居部分の柱や梁の損傷を抑制する。パーキングスペースなどのデッドスペースを利用した制振システムであるため、居住空間の自由度が高まり、住居部分は耐震壁を設けず大梁の配置も最低限にすることができる。

     

     制振層のダンパーは、一般的なオイルダンパーのほか竹中工務店が開発した世界最大規模の大減衰力ダンパー「サイポッド」、長周期地震などの繰り返し変形に強い「FMS合金ダンパー」など、さまざまなダンパーを組み合わせることができる。免震構造の場合に必要な大きな変形クリアランスが確保しにくい敷地や、狭小な敷地での超高層化(高アスペクト比)にも適用が可能だ。

     

     THE制振とはTakenaka High-grade Earthquake resistant system制振の略称。木造伝統構法に見られる心柱に着想を得たシステムで、同社大阪本店設計部構造部門の平川恭章部長によると、「これまで免震層はあっても制振層は存在しなかった」という。一般的な耐震構造と比較して1ランク上の耐震性能を確保できると説明する。

     

     現時点でまだ具体的な導入事例はないが、関東・関西や東海地方の臨海部など、長周期地震動対策が求められるエリアでの超高層プロジェクトなどで今後活用が見込まれるとしている。

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    掲載日: 2018年2月28日 | presented by 建設通信新聞

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