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関西支社新春企画(8)
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【関西から新たな価値創造へ】
大阪・関西万博の成功を目指して、徐々に機運が醸成されてきた関西。都心部では再開発や交通ネットワークの構築など、大型のプロジェクトが活発化し、防災・減災関連のインフラ整備も着実に進む。さまざまな主体が連携し新たな価値創造に向けた動きが加速している。
【安全で活力のある、夢の関西へ/近畿地方整備局長 溝口 宏樹氏】
近畿地方整備局では、自然災害に備え安全・安心を確保するための防災対策や、豊かで暮らしやすい地域社会を実現するための道路ネットワークの整備、国際競争力の強化を図る港湾の機能強化など、社会インフラの整備・管理、災害・危機管理対策に取り組んでおり、ことしも引き続き全力で取り組んでまいります。
関西では、2025年に大阪・関西万博が開催されます。大阪・関西万博は、関西の魅力を世界に発信する絶好の機会であり、これに併せて必要なインフラ整備を着実に推進・支援してまいります。
一方で、建設業では、担い手不足さらには「地域の守り手」の維持が大きな課題となっています。こうした状況を踏まえ、建設業の新3K(給与・休暇・希望)を実現するため、働き方改革などの取り組みを加速化してまいります。
また、今後はインフラ分野において、データとデジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進していくことが必要です。近畿地方整備局では、最新のVR技術などを活用したDXを学習・体験できる研修施設として、近畿技術事務所にインフラDX推進センターを2021年4月に設置するなど、率先してDXに取り組んでまいります。
ことしも、建設業界の方々と一緒になって、魅力ある建設業の実現に向けて取り組むとともに、関西の活力の源である鉄道や空港との連携も含めた道路、港湾などの交通ネットワークづくり、河川・ダム・砂防施設といった安全基盤づくりを進め、「安全で活力のある関西」「夢のある関西」を目指して、一層の取り組みを進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【万博で新たな時代の社会像提示/国際博覧会担当大臣 井上 信治氏】
2025年4月から10月にかけて、大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲(ゆめしま)を会場に、大阪・関西万博が開催されます。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」(Designing Future Society for Our Lives)であり、コロナ禍を乗り越えた先の新たな時代に求められる社会像を世界とともに提示していきます。
この大阪・関西万博にむけて、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が、「2025年日本国際博覧会基本計画」を公表しました。会場は、パビリオンなどの施設が集まるパビリオンワールド、水景を活用したウォーターワールド、緑地エリアであるグリーンワールドの3つから構成され、総面積は155ha。会場が人工島であることを踏まえ、地震や台風などの災害が発生した場合でも来場者の安全を確保できるよう、必要な防災・減災対策を講じることが求められます。多くの方にご協力いただきながら建設を進めていきたいと考えております。
パビリオンについては、参加者がパビリオンやパビリオンの一部を借り受け、展示空間を作り上げる方式、さらには敷地そのものをお渡しし、自由に形状やデザインを構成するパビリオンも用意されております。さまざまな創意工夫のもと、世界中の方を魅了するような建築や設計に、挑戦していただきたいと考えております。
また、大阪・関西万博では、約2820万人の来場者が想定されており、来場者の皆さまが安全に会場にアクセスできるよう、インフラを整備・強化していくことも必要不可欠です。このため、大阪のみならず、他の関西地域も含めた交通インフラ整備などの関連事業計画を策定するとともに、大阪においては淀川左岸線や地下鉄の延伸などの工事を着実に進めてまいります。こうした事業が大阪・関西万博の会場へのアクセスルート確保に加えて、建設市場活性化への追い風にもなることを期待しております。
大阪・関西は陸路では東海道・山陽新幹線が通っており、空路では関西国際空港・大阪国際空港(伊丹空港)・神戸空港の3空港から全国各地へと訪れることができるアクセスに恵まれた立地です。大阪・関西万博をきっかけに、大阪・関西がゲートウェイとなり、海外からの来訪者を会場のみならず関西地域さらには日本全国に誘客するなど、大阪・関西万博の開催効果を日本全体に波及させることを目指します。
1970年の大阪万博は、人々の意識や社会に大きな変革をもたらす契機となりました。例えば、動く歩道、電気自動車、携帯電話を当時の万博会場で体験することができましたが、これらは50年経った現在も暮らしの中に溶けこんでおり、遺産となっています。
2025年の大阪・関西万博においても、新たなアイデアが続々と生み出され、50年後の人々にも語り継がれるものとなるよう、次世代に誇れる遺産を創出し、大阪・関西万博の理念・成果を継承・発展させていきます。
【建コン協近畿、首都代替で提言集/森之宮~新大阪間に地下高速鉄道を】
建設コンサルタンツ協会近畿支部(吉津洋一支部長)は、提言集『ミラーリングKANSAI』をまとめた。2040年をターゲットとした首都代替(ミラーリング)機能整備に関する緊急提言(提言1)と、50年を目標に「東西複眼構造の一極を担う」関西インフラ整備構想に関する提言(提言2)の2部構成で、「ポストコロナの新しい日本」に必要なインフラ整備について具体的に提案している。
同支部に設置された提言2020近畿作成ワーキング(兼塚卓也WG長)と、常設の道路研究委員会(寺尾敏男委員長)を中心に作成された。
提言1はスーパー・メガリージョンの形成を見据え大阪都心にミラーリング機能を整備。一方、防災の観点で京阪神に集中している主要機能を分散させるなどの機能移転推進も盛り込んでいる。ミラーリングの1例として大阪市東部の「森之宮・大阪城公園・天満橋・京橋エリア」に立法・行政・司法の拠点を配置。大阪府庁や大阪合同庁舎がある天満橋駅周辺を「行政拠点」、京橋駅や大阪ビジネスパーク駅周辺を「金融・ビジネス拠点」、大阪府・市による統合大学の新キャンパス整備が予定されている森ノ宮駅周辺には「立法・行政・司法拠点」をそれぞれ整備する。
森ノ宮駅周辺を軸に、新大阪駅の間に「リニア中央新幹線と同一深度でダイレクトに接続できる新たな高速鉄道」を、2025年大阪・関西万博の舞台となる夢洲地区の間には「既計画路線との運用連携によるアクセス性の高い高速鉄道」の整備をそれぞれ推進すべきとした。
機能分散に関連し大阪圏の主要都市と地方都市間のネットワーク強化が改めて必要になり、高規格道路網の整備を促進すべきとして「大阪南部高速道路」「京都小浜道路」「橋本高野龍神道路」「田辺新宮連絡道路」といった路線の整備も提案している。
提言2は、関西圏を「西日本版スーパー・メガリージョン」の中心に位置づけ、東西スーパー・メガリージョンの結節点としての機能整備を中心に展開。「世界に先駆ける最先端のまち」を目指しCASEの推進やMaaSを活用した移動のシームレス化などにより「スーパーシティ構想による未来社会」の早期実現を目指すべきとしている。
【関経連が関西ビジョン2030/ファーストペンギンの心意気で新たな取組み】
関西経済連合会(関経連)は、今後10年間の活動の方向性を示す長期ビジョン『関西ビジョン2030』をまとめた。新たな社会モデルのトップランナーなど、3つの「ありたき姿」を示し、これを実現するための関経連の今後の取り組みを「7本の矢」として提示した。今後は具体的な中期計画もまとめ、GRP20%経済圏を目指す。
ビジョンは3章で構成。関西の強み・ポテンシャルと弱み・課題を明らかにした上で、ありたき姿として、「新たな社会モデルのトップランナー」「ヒトを惹きつける舞台」「オープンで独創的な価値を生む経済」の3つの姿を示した。
これを実現するために▽アジアをはじめとする世界との双方向のつながりの強化▽あっちこっち関西・イノベーションプロジェクト▽道州制実現につながる地方分権・広域行政の促進▽三方よしにもとづく「民の力」を効果的に発揮する仕組みづくり▽多様な人材が能力を最大限発揮できる環境整備▽心身ともに健やかになる活力ある地域づくり▽プロジェクトDX in関西--の7本の矢をセットした。
世界における交流拠点としての機能強化や、企業や大学などの枠を超えた協業や研究開発の活性化につながるイノベーション・エコシステムの構築、行政などと企業の連携強化に向けた取り組みなどを想定している。
ビジョンは「先駆ける関西、ファーストペンギンの心意気」をコンセプトとして掲げた。これは群れの中から、天敵がいるかもしれない海へエサを求めて最初に飛び込むペンギンを指し、先駆けて新たな取り組みを率先して行うことを目指すことを狙いとしている。
残り50%掲載日: 2021年1月4日 | presented by 建設通信新聞