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  • 設計法確立へ情報共有/数値解析モデルなど発表/CVT研が報告会

     真空技術を使った地盤圧密促進工法「キャビテーション(CVT)工法」の設計法確立などを目指して活動しているCVT研究会(会長・山根隆行港湾保安対策機構理事長)の研究報告会が8、9の両日、岩手県北上市で開かれ、地下水を真空吸引する際に地盤内で発生する、空洞現象と呼ばれるCVT現象の解明への手応えと施工法としての設計手法確立への手がかりを確認した=写真。

     

     研究会は8日、北上市のブランニュー北上で、CVT工法のベースとなるスーパーウェルポイント(SWP)工法の普及のために組織しているSWP協会(会長・高橋茂吉アサヒテクノ社長)の第19回通常総会後に行われた。報告では山根会長を始め、活動を支援している有川太郎中央大教授、兵動正幸山口大名誉教授が研究状況を、さらに地すべり対策工事でSWP工法を採用した実績などに基づいた所見を国土交通省国土技術政策総合研究所の中谷洋明室長が発表。また、9日には同市内のアサヒテクノ本社会議室に場所を移し、高橋社長が施工実績に基づいた知見などを披露、意見交換した。

     

     山根会長は、CVT現象の発生メカニズムを注射器のシリンジ(注射筒)を使って説明するとともに、SWP工法の原理や設計法確立への考え方を発表。有川教授は既往の研究を引きながら流体掲載への組み込みや係数評価への考えを示した上で、物理実験結果を踏まえた初弾としての数値計算手法の構築方向性などを、兵動名誉教授は報国エンジニアリングの小川正宏技術部課長との共同研究成果として数値解析モデルをそれぞれ発表した。中谷室長は地すべり対策工事でのSWP工法の成果に基づき、今後は▽本格採用に当たっての季節や自然条件の見極め▽数値モデルで再現する際に使用する変数の種類と範囲の確認--の必要性などを指摘した。

     

     今回の研究報告会は、コロナ禍で関係者が一堂に会して情報共有する機会が制約される中で初めて実現した。現状はあくまで設計法確立に向けた数値シミュレーションやモデル解析の段階であり、研究の方向性や必要な取り組みを確認する場となったが、現状の実施工での評価という“経験値”に加え、学術的な裏付けへの期待が一気に高まったと言える。報告会の模様はDVDに記録、希望者には無料配布する予定。

     

     問い合わせは、アサヒテクノ・電話0197-73-6015、電子メール(asahi03@carrot.ocn.ne.jp)まで。

     

     研究会ではほかに、アサヒテクノがCVT効果を使って開発、実用化した木材乾燥の技術説明と事業化方針を公表するとともに、乾燥装置の見学会も行われた。

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    掲載日: 2021年1月13日 | presented by 建設通信新聞

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