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2021年業界を読む・道路舗装
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【国土強靱化予算に安堵感/民間不調に競争激化懸念】
新型コロナウイルスの感染拡大は、当然ながら道路建設業界にも大きな影響を及ぼした。コロナ禍による経済活動の低調を受けて、民間工事はプロジェクトの中止や発注の先送りが生じており、2021年も継続して懸念事項となっている。「感染拡大が収束するまでは、民間では建設投資の先送りが続くのではないか」と見込む声もあり、受注競争の激化、さらにはダンピング(過度な安値受注)への懸念がくすぶっている。
一方で、官庁工事については「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が決定したことを受けて、「一定量の発注は見込めそうだ」と安堵する声が多く、それをしっかりと確保することが重要だとの認識は共通している。20年も日本列島は台風や豪雨など多数の自然災害に見舞われた。そうした中で道路が社会に不可欠なインフラであるという認識が改めて広まっており、 ミッシングリンクの解消や暫定2車線区間の4車線化、 ダブルネットワークの強化などが課題として挙げられるほか、 老朽化対策や維持修繕分野は一層重要性が増している。
発注の減少が予想される民間工事の受注量を確保するため、各社トップは高品質なものづくりによる信頼獲得や特殊舗装・技術力を生かした営業提案、全国に構築した地域密着の営業網の活用などの方針を示す。
新型コロナによる経済の停滞は、アスファルト合材の原料となる原油価格にも大きく影響している。近年、高値で推移していた原油価格が20年は比較的安価で安定していたことで、合材の製造・販売の利益率は向上しており、受注・売り上げを減らしながらも増益となっている会社も複数ある。
合材の製造・販売部門では、世界的な脱炭素の流れを受けて、合材プラントの改修時には燃料をガス化する事例が増加している。
コロナ禍は担い手確保にも課題をもたらした。採用活動に当たっては、従来のような学校訪問や大規模就職イベントなどの場が失われてしまったため、いかに学生へアプローチするかが問題となっている。
ホームページの整備・拡充など個社での取り組みも挙げられるが、「社会にとって重要でやりがいのある仕事であることを日本道路建設業協会の活動などを通じてアピールする必要がある」と業界全体での取り組みも求められている。
また、働き方改革は新型コロナ対策としても重要性を増している。施工現場で働く社員の負担軽減のために推進されている、オフィスカーやタブレット端末による事務所作業の軽減や直行直帰などの施策は、感染リスクとなる接触機会の軽減にも貢献することから、さらなる普及にもつながることが考えられる。 (上山裕隆)
残り50%掲載日: 2021年1月14日 | presented by 建設通信新聞