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清水建設/早期火災検知AIシステム/伝統木造建築に展開/首里城の焼失で注目
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>清水建設は、物流施設向けに開発した早期火災検知AI(人工知能)システム「火災検知@Shimz・AI・evo」を文化的な価値の高い伝統木造建築に展開していく方針だ。ターゲットとしていた物流施設やイベント施設などの大空間建築だけでなく、文化的な価値の高い伝統木造建築に適用。火災の発生を早期に検知することで大規模火災への発展を防ぐ。
「火災検知@Shimz・AI・evo」は、対象面積100㎡当たり4-5個を設置する「ガスセンサー」とデータの収集・集積やAIによる火災の判別を担う「監視プログラム」、データの監視や火災判別の情報から信号表示を行うコンピューター「クライアント」で構成する。
ガスセンサーを用いて木材などの燃焼によって発生する一酸化炭素などを含む特有のガスを検知。検知した情報をAIが総合的に分析することで火災の発生を早期に検知できる。火災の発生から検知まで約10分という“早期検知”を可能にすることで大規模火災への発展を防ぐことができるという特徴を持つ。
物流施設の大規模火災を念頭に物流施設に大量に存在している段ボールの燃焼で発生する特有のガス「エイコサン」が煙よりも早く拡散することに着目し、物流施設向けの早期火災検知システムとして2019年7月に開発した。
とりわけ天井が高い大空間の物流施設は、火災の煙が希釈してしまうため、高さ8mの大空間を想定した場合、従来の火災報知機だけだと火災の発生から検知まで30分程度の時間を要していた。
それが大規模火災に発展してしまう要因の1つになっていたが、10分程度での早期検知によって、水バケツで消火できる程度の火災に収めることができるという。
首里城(那覇市)の焼失事例をきっかけに多くの問い合わせを受けていたことから「火災検知@Shimz・AI・evo」の木造建築への適用可能性の検討に着手。木材の初期燃焼で発生・拡散する一酸化炭素などを含む特有のガス検知の可能性を検証した。
火災安全工学の専門家である横浜国立大学大学院環境情報研究員の岡泰資教授からの助言を得て実施したISO規格に基づく実証実験で、木造建築の火災検知に対する確実な効果を確認。火災検知対象面積1㎡当たり3000-5000円程度(エンジニアリング費込)で文化的な価値の高い伝統木造建築などへの展開に踏み切る。
残り50%掲載日: 2021年1月15日 | presented by 建設通信新聞