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2021年業界を読む・橋梁
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【問われる技術力の維持・継承/事業構造の転換必要】
インフラ整備が新設から維持・管理に移行して久しい。橋梁も例外ではなく、 新設から大規模更新・補修などに転換しており、 新設需要の大きな増加は見込めないのが、ここ数年の傾向だ。 新しいものをつくることから、 いまあるものを大事に使っていくという方向にシフトしている状況下で、 これまで蓄積した技術力をいかに将来に向けて継承していくかが問われている。 保全の比率の高まりは、 各社の経営や技術力の維持・継承にも影響を与えている。
生産ラインを持つ各社にとって、鋼材の製作が伴わないケースも多い保全事業は、工場の稼働に寄与しない。国内の新設需要の縮小という事業環境の変化は、各社にとって工場製作と現場架設を行う従来の事業構造からの転換を促している。
そうした中、注目されているのは、大阪湾岸道路西伸部の海上長大橋、下関北九州道路といった大型プロジェクトだ。技術・技能の継承のためにもビッグプロジェクトが必要と主張してきた各社にとって、寄せる期待は大きいものがある。
一方、ことしの橋梁事業は安定した発注が見込まれている。NEXCO3社(東日本、中日本、西日本)、名古屋高速道路公社、阪神高速道路会社の大規模リニューアルを含む新規発注が予想される。
また、2020年12月に「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が閣議決定されたように、防災・減災、国土強靱化の対応が待ったなし、ひっ迫化した課題となっている。橋梁の補修・点検の必要性は従前にも増して高まり、公共事業予算が減ることはないという声が多い。現状をしっかりと踏まえながら、着実に対応していくことが求められる。
グローバル展開は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、目下、新規の受注は難しい状況下にあるが、引き続き重要な柱の1つだ。状況を確実に見極めた上での受注獲得に向けた活動の展開が見込まれる。
生産性の向上については、DX(デジタルトランスフォーメーション)、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ICT化といったデジタル化への対応が必須であり、今後の生き残りも含めて差が出てくるものとみられる。建設現場で働く技能労働者を安定的に確保するためにも、デジタル化による現場環境の改善は必要不可欠だ。
さらに、コロナ禍においてテレワークを効率的・効果的に実施するためにも一層の進展が求められる。働き方改革の推進には避けては通れない課題だ。
(川合秀也)
残り50%掲載日: 2021年1月18日 | presented by 建設通信新聞