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山岳トンネルの安全性向上/戸田建設が施工システム確立へ//鋼製支保工建込み無人化
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【2021年度から試験施工に着手】
戸田建設は、山岳トンネル工事での鋼製支保工の建て込み作業を無人化する「切羽無人化施工システム」の開発を目的に筑波技術研究所の構造・施工実験棟で組み立て実験を実施した。2021年度から現場での試験施工に着手する。切羽直下に作業員が立ち入らない“新たな施工技術”の確立によって、山岳トンネル工事の安全性の向上と生産性アップを狙う。
鋼製支保工の建て込み作業と吹き付けコンクリート作業に用いる施工機械(エレクター一体型吹付機)を改良することで、切羽直下に作業員が立ち入ることなく、オペレーター(1人)が遠隔操作で鋼製支保工の建て込み作業を行う仕組みとなる。
長尺化した把持装置に位置決め測定用プリズムを設置して、後方の自動追尾式トータルステーションで鋼製支保工の位置をモニタリングしながら、微調整機構を搭載した高性能エレクターによって、設置位置に精度よく鋼製支保工を建て込むことができる。
鋼製支保工の組み立て・接合にも工夫を施す。左右H形鋼の継手部にせん断ピン付きみぞ形鋼を配置。前後に重ね合わせて、切羽正面からボルトの締め付け作業ができる構造を採用することで、従来の横断方向にボルト・ナットで接合する方法と同等以上の強度性能を確保した。
緊結作業(ボルトの締め付け作業)は施工機械本体の搭乗用バスケット台座に搭載した遠隔ボルト締付装置を活用する。オペレーターがカメラモニターを見ながら、遠隔でボルトの締め付け作業を実施できるという特長を持つ。
鋼製支保工の建て込み作業は、掘削直後の切羽直下に作業員が立ち入る危険作業である点に着目。中期経営計画の事業方針で安全性の向上に力を入れる戸田建設として、切羽直下に作業員が立ち入らない「切羽無人化施工システム」の実現を目指す。
筑波技術研究所で実施した今回の組み立て実験のデータを基に21年度から実際の現場に導入。試験施工を積み重ねることで“施工システム”としての確立を急ぐ。将来的な全自動化も視野に今後も継続して安全性や生産性を高める技術開発に取り組んでいく。
残り50%掲載日: 2021年1月18日 | presented by 建設通信新聞