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  • 流域治水を全国展開/特定都市河川対策法等改正案

     政府が今通常国会に提出する特定都市河川浸水被害対策法等改正案の詳細が19日、明らかになった。流域治水の法的枠組みを整備して全国の河川で法律に基づいた取り組みを展開できるようにするとともに、流域治水で必要な対策ごとに措置を規定する。特定都市河川浸水被害対策法、河川法、下水道法、都市計画法、建築基準法など9本の改正案を束ね、「流域治水関連法案」として2月上旬の提出を目指す。

     

     特定都市河川浸水被害対策法は、特定都市河川の河川管理者、特定都市下水道の下水道管理者、都道府県知事、市長村長が共同で流域水害対策計画を策定すると規定しており、国、自治体、企業・住民など流域のあらゆる関係者が協働して治水に取り組む流域治水に似た枠組みになっている。

     

     この枠組みを生かし、全国の河川で法的根拠を持った流域治水の展開を可能にするため、流域水害対策計画を活用する河川の対象を拡大し、バックウォーター現象の恐れがある河川や狭窄部の上流にある河川など、自然的条件によって被害防止が困難な河川を追加する。あわせて、同計画を拡充し、地方自治体と民間による雨水貯留浸透対策を強化するとともに、対象河川周辺の土地利用方針を計画に位置付ける。流域治水対策に関する協議会も法定化する。

     

     このほか、流域治水の柱である▽氾濫をできるだけ防ぐための対策▽被害対象を減少させるための対策▽被害の軽減、早期復旧・復興のための対策--の3つに関する措置を規定する。

     

     具体の措置としては、利水ダムの事前放流拡大に向け、河川管理者、利水者などで構成する協議会を法定化する。保水・遊水機能を有する沿川の土地を貯留機能保全区域に設定し、区域内での盛土行為などに対して届け出を義務化するとともに、必要に応じて勧告できるようにする。都道府県知事が民間の雨水貯留浸透施設整備を認定する制度を設ける。

     

     浸水被害の危険が著しく高いエリアを浸水被害防止区域に指定する制度を創設し、住宅や要配慮者施設など区域内の開発・建築行為は都道府県知事の許可制にする。また、浸水被害防止区域などを防災集団移転促進事業のエリア要件に加える。

     

     大河川に限定しているハザードマップ作成エリアの対象を見直し、住家など防御対象のある全ての河川流域、下水道、海岸に広げる。これにより、25年度までに約1万7000河川でのハザードマップ作成を目指す。

     

     被災地を早期に復旧する観点から、17年の河川法改正で制度を創設した国による権限代行の対象を拡大。対象河川に市町村が管理する準用河川、対象事業に災害でたい積した河川の土石・流木など排除を加える。

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    掲載日: 2021年1月20日 | presented by 建設通信新聞

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