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超高性能コンクリで極細柱/Fc300 住宅に初適用/竹中工務店
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【デザインに自由度】
竹中工務店は、設計基準強度が1平方mmm当たり300ニュートン(Fc300)の超高性能コンクリート「APCコンクリート」による直径195mmの極細柱「ペンカラム」を開発し、横浜市の集合住宅に初適用した。世界最高クラスの超高強度コンクリートにより設計の自由度が高まるほか、流動性や高耐火性、高靱性を確保した。日本建築総合試験所で日本で初めてFc300までの生産技術証明を取得した。 鉄筋コンクリート造の建物ではデザイン性のため、開口部を鉄骨の細い柱で支えることがある。しかし、長期で若干の変形があるコンクリートと、変形のない鉄骨を接合するためには詳細な設計に手間が掛かっていた。また、屋外の鉄骨は耐火塗料の劣化がありメンテナンスが必要だった。コンクリートの柱はこれらの課題を解決するが、極細化には強度を高めなければならなかった。
ペンカラムの開発に当たっては、コンクリートの圧縮強度を高めるためセメントと化学混和剤を新たに開発。セメントに対する水の割合を通常の約5分の1の10%未満としつつ、高い流動性を確保した。粗骨材や細骨材も厳選し、強度発現性を高めるため高温加熱養生を採用した。
さらに、耐火性と靱性を高めるため、有機繊維と鋼繊維の形状と混入率をFc300に向けて最適化した。また、柱を極細化しつつ構造性能を確保するため高強度鉄筋を採用した。
ペンカラムの長期荷重支持能力は約900キロニュートンで、1時間以上の耐火性能を実験で確認済み。日本ERIで部材としての構造性能評価を取得しており、確認申請物件で使用できる。
適用したのは、竹中工務店と野村不動産による共同事業の「ザ・マスターズガーデン横濱上大岡」で、規模はRC造4階建て延べ8996㎡。設計・施工は竹中工務店で2月に竣工した。
「飛翔」をデザインコンセプトに水平を強調した全体構成としており、高いデザイン性が求められていたが、エントランス庇(ひさし)を支える2本の柱にペンカラムを適用し、軽快なエントランス空間を実現した。
今後はマンション高層階の見晴らし確保や大スパン化、柱の増設による安全性確保などへ超高強度コンクリートの適用を拡大する。
残り50%掲載日: 2018年3月5日 | presented by 建設通信新聞