建設技術者向けNEWS
建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!
-
2021年業界を読む・建材
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【コロナ前からの変化が加速/BtoC営業を模索】
新型コロナウイルス感染症の拡大は、建材業界にも大きな影響を及ぼし、各社のトップは営業方法や需要の変化への対応を模索している。
営業方法については、住宅用建材においてBtoC営業を重視する取り組みが増えている。BtoC営業重視はコロナ以前からある傾向で、例えば2019年後半の時点でLIXILの瀬戸欣哉社長兼CEOは「住宅をリフォームするユーザーは自分でよく商品を調べて選ぶ。これから伸びるリフォーム需要を確保するには、エンドユーザー向けアピールの強化が必要」と指摘していた。
この傾向は、コロナ禍で対面営業が制限されたことを背景に加速し、ウェブ上で顧客へアピールする営業手段を中心に、模索が続けられている。YKKAPの堀秀充社長は、ウェブ上でのBtoC営業について「顧客は、特設サイトなどのコンテンツが面白ければ見る。見た顧客はショールームに来る回数が増え、いろいろな製品への興味が高まり、高付加価値製品をより購入する傾向がある」と手応えを口にする。
三協アルミ社の西孝博社長は、「時間・場所に縛られずアピールできる」とウェブならではの強みがあるとしつつ、 「住宅・非住宅ともに、 建材の良さは、質感、断熱性能、換気などで差が現れている。これらは、 直接触るなどの体験をしないと、 十分に伝わらない」と、 リアルなショールームも依然として不可欠との見方を示す。
コロナ禍による建材需要の変化では、抗菌や抗ウイルス、換気、断熱、省エネ、防音や吸音、非接触、不燃性、洗浄の自動化などの要素が、より求められるようになった。これらの要素は、コロナ以前から需要が認知され製品も発売されていたが「テレワーク推奨などで人々の行動が変わり、注目度を増した」「高性能を求める顧客が増えた」とする見方が多い。
こうした住宅の動きに対し、非住宅建築の建材需要は、ホテルや商業施設への投資延期・見直しの動きが一部にある一方、 「EC(電子商取引)の拡大で、 大型物流倉庫への投資が比較的旺盛だ」(高山盟司三和シヤッター工業社長)、 「データセンター(DC)の需要拡大を踏まえ、DC向けの製品・工法を強化したい」(億田正則大建工業社長)と、施設の用途によって動向が分かれる見通しだ。
また、住宅・非住宅ともにコロナ禍より前から重視されていた強風、 豪雨や浸水、地震など防災対策への注目度は、依然として高い。「高耐風圧使用の各種シャッター、地震動を対策したドアやパーティション、建物への浸水を防ぐ止水製品など、防災が引き続き開発のキーワードとなっている」(潮崎敏彦文化シヤッター社長)、 「災害対策の市場が加速度的に伸びている」(高山三和シヤッター工業社長)、「耐風圧性能など、建築基準法よりワンランク上の性能を持つ製品もそろえることが大切になっている」 (西三協アルミ社長)などの指摘がある。
(川村将貴)
残り50%掲載日: 2021年1月20日 | presented by 建設通信新聞