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職人通信・専門工事業への提言(79)/建設経営コンサルタント経営学博士 天本武
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【「丑」年の特徴】
ことし(2021年)の干支は「丑」(うし)である。「丑」は中国で生まれた漢字で、「からむ」という意味があり、芽が種子の中で伸びることができない状態を表しているそうである。これを後に覚えやすくするために「牛」の意味が与えられた。「牛」は古くから食牛や乳牛、耕牛と呼ばれ、酪農や農業で人々を助けてくれる存在として重要な生き物だった。大変な農業を地道に最後まで手伝ってくれる様子から、丑年は「我慢(耐える)」や「発展の前振れ(芽が出る)」を表す年になると言われている。
また、平安時代以降では馬車が一般化しなかった日本において、公家など高貴な人たちの乗り物として牛車が用いられた。古の平安京の大路を、貴族を乗せた牛車がゆっくりと進む姿は、優美であると同時に幽玄なイメージであり、絵巻物などにも多く描かれているのはご承知のとおりである。
丑(牛)は、おっとりしているように見えても堅実で真面目に物事を進め、成長し続けることができる、ポテンシャルの高い生き物である。そんなポテンシャルの高さは丑年生まれにも当てはまる。規則や伝統などをきっちり守り、スロースターター気味だが、一度始めると最後までやり切らないと気が済まない努力家が多く、働き者でもある。頭も良くて楽をしたりズルをしたりしない真面目な性格で家族を大切にし、必要に迫られれば皆を引っ張って行くこともできるので、友人も多く周りが認める「兄貴(姉御)分」タイプと言えるのではないだろうか。
身近に丑年の人がいるのであれば、きっと頼りにできると思う。丑年の良いところを見習って、みんながことし1年大きく成長できるようにしたいものである。
◆ことしの建設業環境は
現在、新型コロナウイルス禍の影響で世界中がその恐怖に巻き込まれている。最近になって、ワクチンの開発や対処方法の研究が本格的に進められているが、早急な収束は見込めないのが現状である。
このような状況の中で、今後も「医療提供の維持」と「経済の回復」を柱とした「両輪」での感染拡大防止の施策が実施されるものと予測される。既に国民1人当たり10万円の給付金を始め、企業や飲食店の時短営業の保証金、Go Toトラベルの補助金等々多くの金額が拠出されている。
今後も「新型コロナ禍拡大防止対策」と「社会経済対策」に必要な事業を積極的に展開するための財源が優先して運用されるものと思われる。さらに、新型コロナ禍の影響で日本経済界全体の落ち込みにより、国税を始め各県・市・町・村税の落ち込みが発生する。このような影響で、建設業の公共投資や各地方の建設工事の縮小や中止・延期または簡素化等が危惧される。
建設市場の規模が縮小されることになると、激しい市場競争や利益率の低下が発生するため、今後はしっかりと建設業の役割と自社の実績等を認識して新しい経営戦略を構築して、企業を取り巻く環境変化に的確に対応することが重要であり、このような時代環境を反映させた、新しい経営戦略を構築しなければならない。
まず新年に当たりマンネリ化した会社の年中行事の見直しをすることだ。会社の年中行事は、新年会、社内成人式、新入社員の入社式、創立記念日、定期株主総会、安全大会等々年間相当な数である。担当者は、まず綿密な年中行事の見直し、時代環境に合わないものは中止または廃止しなければならない。
また、飲食を伴う場合などは、ホテルや外部会館等の定席式ではなく、できるだけ自社の広い会議室等を利用して、立食パーティーにすると経費も節減できる(定席式は立食パーティーの約2倍の経費がかかる)。さらに、会場の設営や飾りつけ、料理の仕出し、片付け等は外部のケータリング専門業者を利用した方が結局は安くなる。
記念品の選定なども、儀礼としてではなく温かい心配りに富み、金額的には少額で済むように工夫をしたい。注文して、社章や社名を大きく入れたり、会社の住所や代表者名を印刷するのは経費がかかるだけでなく、贈られた人も使用しづらく賢明とはいえない。
なお、(1)会社の何周年記念、社屋新築記念、進水式、起工式、落成式等における宴会費・交通費および記念品代など(2)得意先、仕入先などの社外の者の慶弔に際して支出する金品などの費用等--は、福利厚生費とはならず交際費となるので注意しなければならない。
残り50%掲載日: 2021年1月26日 | presented by 建設通信新聞