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世界中の洪水 ダムで15%抑制/国立環境研ら共同チーム
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【世界規模の調節機能を初推計】
国立環境研究所、東京大学、ミシガン州立大(米国)の共同研究チームは、世界中で計画または建設中のダムが将来起こる可能性がある洪水に対する調節機能をもった場合のダム下流の洪水暴露人口が、洪水調節がない場合に比べ約15%減少するとの研究成果を公表した。全地球規模の気候変動影響の将来予測に、初めてダムによる洪水軽減の役割を考慮して推定した。研究成果は1月18日に総合学術誌『ネイチャー コミュニケーションズ』に掲載された。
日米の共同チームは、世界を対象に洪水シミュレーションを実施。具体的には、世界の河川流量を1日単位で、50㎞四方ごとの格子に区切って推計し、統計学的処理を行うことで、20世紀末(1975-2004年、現在気候)の100年に一度規模の洪水流量を推定した上で、ダムによる流量調節を考慮した場合と、しない場合の2通りを計算した。将来予測には、低位・中高位の温室効果ガス排出経路に基づく気候予測結果を利用した。
現在気候で100年に一度の規模の洪水発生時に浸水域に居住する人口の合算数である洪水暴露人口は、ダム下流で低位と中高位それぞれ、06年から99年の間で平均720万人と1340万人となる。この人口はダムによる流量調節を考えないシミュレーションと比べ、それぞれ平均16.3%と12.8%の減少だった。また21世紀末の70年から99年の間で推計すると、平均20.6%と12.9%の減少となった。
ダムが持つ洪水調節機能、役割は日本でも気候変動に伴う災害多発化の中で、治水機能のないダムでも特別対応として洪水調節機能を持たせる対応を始めたほか、流域全体で治水機能を果たす流域治水へ考え方を転換している。
残り50%掲載日: 2021年1月28日 | presented by 建設通信新聞