建設技術者向けNEWS
建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!
-
遠隔で被災地支援・老朽化対策/自律施工の実証を先導/土研がDX対応加速
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>土木研究所は、DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応を加速する。2020年度第3次補正予算の成立を受け、同予算に計上していたインフラDX推進環境やエンジニアリングセンター(架装工場)の整備に着手する。通信環境の強化による遠隔での被災地支援、老朽化対策の迅速化・効率化、建設デジタルツインの実現に向けた自律施工の実証など、DXによる新たな取り組みを具体化させていく。
土木研究所では20年度からCIMモデルで災害現場を再現して、リモートで被災自治体などへの技術的支援を行う取り組みを開始した。UAV(無人航空機)で撮影した空中写真を基にしたカラー点群データによって地すべり現場のCIMモデルを作成することで、災害の状況や保全対象との位置関係など災害の全体像が被災地以外でも共有できるようになった。
遠隔で助言できることから、災害復旧の迅速化や新型コロナウイルス感染症下での非接触化に役立つだけでなく、現地調査の前に詳細に検討する“災害支援のフロントローディング”でも活用できる。関係者協議や報道機関を通じた住民への説明がより分かりやすく実施できる効果もある。
遠隔での被災地支援の取り組みを円滑化するため、研究所内に「DXルーム」を整備する。DXルームを起点として通信環境を強化することによって、CIMモデルのリアルタイム共有が可能になるとともに、被災現場の高精細な画像の送付ができるようになり、災害対応の迅速性・効率性の向上効果が期待できる。
また、災害対応だけでなく、老朽化対策にも同様のスキームを活用する。現在、土木研究所が開発しているAI(人工知能)を活用した橋梁などの診断システムの入出力情報やUAVで取得できる3次元データなどをリアルタイムで現地と共有することで、同研究所が遠隔で全国に技術支援できるようにする。
◆制御信号の共通化へ22年度から共同研究
自律施工技術の研究・開発を促進する基盤整備も推進する。現在、研究所内に整備している実物大の道路盛土サイズの工事現場を再現できる「先端建設機械実験フィールド」に、遠隔操作や自律化の実証実験に必要な装置類を建設機械に架装するための工場(エンジニアリングセンター)を新たに設置する。
先端建設機械実験フィールドでは、自動化技術の根幹となる制御信号をルール化した「オープンプラットフォーム」を搭載した建機を実証できる。土木研究所が先導して制御信号統一・共通化の実証を進めることで、1つのソフトウェアを異なる機種に横断的に活用できる環境を構築する。
今夏までに協調領域(制御信号の統一・共通化)と競争領域(ソフトウェア開発)の線引きなどについて、素案と実証実験のデモンストレーションを作成し、遅くとも22年度からは企業や大学との共同研究を開始したい考えだ。
残り50%掲載日: 2021年2月2日 | presented by 建設通信新聞