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キャリアアップシステムの登録利用状況/20年度目標は達成見通し/タッチ数増など対策急務
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>国と主要業界団体で構成する建設キャリアアップシステム運営協議会の運営委員会は、1月29日に会合を開き、システムの登録・利用状況をフォローアップした。2020年度の事業者、技能者、就業履歴(カードタッチ)の登録数は目標値(低位推計ベース)を達成できる見通しとなった。一方、2次以下の下請業者、地方圏の事業者、小規模現場での普及や技能者登録後の利用促進など解決すべき課題は山積しており、年度内に開催する運営協議会の総会で、次年度の事業計画とともに対応策をまとめる方針だ。
建設キャリアアップシステム(CCUS)の値上げを決めた20年9月の同協議会総会では、23年度からの単年度黒字化を目指す「低位推計」をベースに取り組みを進めることを確認済み。同推計の20年度の目標値は累計で登録事業者数7万社、技能者数50万人、カードタッチ720万回となっている。
20年度の事業者登録数は4-12月までで3万0902社となり、累計すると6万7225社。1-3月も同程度の登録数で推移すれば目標の7万社を突破できる。技能者数も同様で20年度(4-12月)は22万2668人が新規登録して、累計は44万3368人。年度内に50万人超となる見通しだ。
事業者、技能者登録と比例して、カードタッチ数も増加している。12月には初めて単月で100万タッチを達成。12月までで583万0641タッチとなっており、こちらも残り3カ月で目標値(720万回)を上回る計算だ。
20年度の目標値をクリアしても単年度の収支黒字化にはほど遠い。低位推計の試算では、20年度の収支は21億5800万円の赤字となる。21、22、23年度とさらに3段階の目標を達成して初めて単年度黒字化が見込めるが、21年度以降のハードルは高い。
例えば、カードタッチ数の目標値をみると、20年度の720万回から、21年度は2000万回、22年度は3800万回、23年度は6000万回と、3年間で8倍超としなければならない。
そうした状況を踏まえ、運営委員会で議論の中心となったのは、CCUSの浸透の課題だ。現状、一部の大手ゼネコンとその協力会(1次下請け)を中心に登録が進んできたが、2次以下にはいまだ浸透できていない。多くの技能者を直接抱える2次下請けなどの登録が進めば、技能者登録数の増加も見込める。
登録後のシステム利用段階でも、課題が浮き彫りとなった。既に登録が済んでいる技能者約44万人のうち、12月にカードをタッチしたのは8万7544人と全体の2割にとどまった。残る8割は12月中に一度も就業履歴を蓄積していない。
就業履歴を蓄積した2割(8.7万人)も月間でその半数が1-10回しかタッチしておらず、大手の現場も含め、現場で適切に利用してもらうための実施体制を構築する必要がある。
地域性の課題もデータから明らかになっており、東京を中心とした首都圏や宮城県、愛知県、大阪府など都市部に比べ、多くの地方圏では登録率が低い。業態別では、戸建て住宅など現場の規模が小さいほど、登録にかかる労力が増え、メリットが薄れるといった課題も挙げられている。
残り50%掲載日: 2021年2月3日 | presented by 建設通信新聞