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  • インタビュー・国土交通省技監 山田邦博氏/加速化対策円滑発注を先導

    【技術者の海外実績を国内で評価】

     

     2020年度第3次補正予算が成立し、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が本格始動する。新型コロナウイルスの感染防止対策を講じながら、大規模な事業を執行するという難しい対応が、発注者に求められる。中長期的な視点で公共事業を見ると、コロナ禍で社会の安定維持に不可欠なエッセンシャルワーカーと位置付けられた建設業の担い手確保が課題に挙げられる。こうした中で国土交通省直轄工事は、全国の建設工事の先導役であり、果たす役割は大きい。技術部門トップである山田邦博技監に、今後の公共事業執行方針や担い手確保に向けた直轄の取り組みなどを聞いた。

     

     21-25年度の5年間で事業規模15兆円程度を確保する5か年加速化対策の初年度執行に当たっては、「効果を早期に発揮させるため、円滑な発注と施工体制の確保を図っていく」と意気込んだ。

     

     コロナ禍の措置として、指名競争入札や概算数量発注の活用、調達環境の厳しい工種・建設資材の見積もりを積極的に活用した予定価格の設定、余裕期間制度の活用原則化などを直轄工事で講じていることを説明し、「引き続き、感染拡大防止対策を徹底しつつ、円滑な工事継続に向けてしっかり取り組む」と強調した。

     

     公共工事の担い手である建設業に目を向けると、就業者数はピークの1997年より27%減少。また、60歳以上が26%を占め、高齢化に伴う大量離職の発生が今後見込まれている。

     

     「建設業界の施工能力を全国的に見れば、技能労働者の過不足率などは落ち着いてきており、直ちに人手不足という状況にはない」と現状認識を示しつつ、中長期的には世代交代を見据えて「建設業の将来を担うこれからの技術者の定着や育成を図る取り組みが重要」と指摘する。

     

     若手技術者を専任配置した場合に入札時の評価で加点する仕組みや、補佐的な技術者の配置によって実績の少ない若手技術者を責任ある立場に登用できる仕組みなど、若手技術者の現場配置を促す入札・契約方式を直轄工事に導入していることを説明し、「若手や多様な技術者が活躍できる環境を整備し、安全・安心な暮らしを守る公共事業の担い手を中長期的に確保・育成していく」と話す。

     

     担い手確保策の一環として20年度に創設した海外インフラプロジェクト技術者認定・表彰制度にも言及した。日本企業45者に所属する技術者708人の海外プロジェクト実績を認定し、認定技術者のうち28人の表彰を決めた初年度の審査結果について、「制度に対する関心が非常に高いと受け止めるとともに、さまざまな国・地域の幅広いインフラプロジェクトでわが国の企業や技術者が活躍していると改めて認識した」と述べた。

     

     今後は、「技術者の海外での実績を国内工事などで広く適正に評価することによって国内外の人材流動化などを図り、担い手人材の確保・育成に努めるとともに、海外でわが国の企業・技術者がますます活躍できるよう最大限支援する」と力を込めた。

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    掲載日: 2021年2月10日 | presented by 建設通信新聞

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