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単体受注 18社で減少/大手・準大手ゼネコン25社の2021年3月期第3四半期連結決算
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【市況回復への出口見えず】
ゼネコン各社にとって厳しい経営の舵(かじ)取りが続くことになりそうだ。12日までに開示された大手・準大手ゼネコン25社の2021年3月期第3四半期の連結決算は、全体の8割に相当する20社が減収となった。業績の先行指標となる単体の受注高も総じて減少が目立つ。新型コロナウイルスによる影響が続く中で、依然として“市況回復”への出口は見えていない。
1月に再発令された緊急事態宣言の継続などで市場環境の先行きは不透明な状況が続いている。いまだ収束のタイミングが見通せない中で「民間企業の設備投資が目に見えて回復してくるのはもう少し先。しばらく厳しい状況が続く」というのが多くのゼネコンに共通する認識だ。
もともと東京五輪に向けた首都圏での再開発プロジェクトなど、いわば“五輪特需”とも言える建築需要が一服して、ポスト五輪への需要の端境期・踊り場になるとみられていた今期(21年3月期)だが、文字どおりの“コロナショック”が直撃。経済活動の停滞が各社の業績に与えている影響は小さくない。
特に企業収益の悪化から製造業など民間分野の設備投資が減退していることも相まって、建築を中心に受注が伸び悩んでいる印象は強い。
実際に業績の先行指標となる単体の受注高は全体の約7割の18社が前期比で減少。堅調な公共投資を背景に土木で大幅な増加を示すケースがある一方、企業収益の悪化による発注の延期や計画の遅れなど、全体として設備投資が鈍化している建築(民間市場)での減少が目立つ。
例えば、国内の民間建築における受注高が前年同期比でプラスとなった企業でも「あくまでも前年同期との比較でプラスになっているだけ。前年同期が低調だったことを踏まえれば、決して数字が持つ“印象”ほど好調ではない」というのが実情。建築を中心とする受注環境は依然として厳しい。
そうした市場環境を裏付けるように受注高の通期予想を公表している23社のうち、6割を超す14社が前期比での減少を見込んでいる。
それでも「実需となる案件が消えてなくなったわけではない」という声があるように、コロナ禍の収束で社会全体に景気の持ち直しが“実感”として広がっていけば、来期(22年3月期)以降に低迷している設備投資が徐々に回復に向かう可能性もある。
在宅勤務・テレワークの普及による今後のオフィス需要やホテルなどインバウンド関連の需要動向は必ずしも読み切れない部分はあるが、先送りになっている案件の発注が進めば、今後の業況は改善していく公算が大きい。
今期(21年3月期)は建築を中心に受注競争の激化も鮮明になっているだけに受注段階での採算性の維持も重要な経営課題の1つ。おおむね横ばいを堅持している完成工事総利益(粗利)率をいかに維持できるかも今後の大きなポイントと言えそうだ。
残り50%掲載日: 2021年2月15日 | presented by 建設通信新聞