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  • “不退転の覚悟”で改革推進/働き方改革、CCUSに道筋/山内日建連会長が勇退・新体制へ

     2017年度から2期4年にわたって、日本建設業連合会のかじ取り役を担ってきた山内隆司会長が21年度の定時総会・理事会で勇退する。長時間労働の是正や週休2日による働き方改革、建設技能者の処遇改善を目的とする建設キャリアアップシステム(CCUS)を始め、建設業の健全な発展を支える担い手対策に関し「前進はあっても後退はない。不退転の覚悟で取り組む」という信念のもと、辣腕(らつわん)を振るってきた。その姿勢は新たな時代へと突入する業界に道筋をつけ、今後も引き継がれていく。

     

     17年度定時総会・理事会で、新会長に就いた山内会長は「担い手の確保・育成と生産性向上について、中村満義前会長の路線をしっかりと踏襲し、全力で取り組んでいきたい。働き方改革の推進、インフラ輸出戦略への貢献、東京五輪・パラリンピックへの貢献という3つの課題についても積極的に活動を展開していく」との所信を表明した。

     

     その言葉どおり、働き方改革への対応は迅速だった。政府の方針を踏まえ、会長就任に先立って「週休二日推進本部」を設置し、行動計画などをまとめた。20年度上期で4週8閉所以上が約40%、4週6閉所以上が70%超に達し、「21年度末までに4週8閉所の実現」を目指す。

     

     また、労働基準法の改正と時間外労働上限規制の建設業への適用を見据え、17年度には自主規制となる「日建連基準」を策定。「これまで未解決だった残業時間、週休2日といった産業の後進性を克服する千載一遇の機会であり、ラストチャンスだ」とし、就労環境改善に対する日建連の本気度を内外に示し、関連施策を加速させた。

     

     18年度は「わが国建設業の再生と進化に向けた歴史的な転換期」と位置付け、働き方改革にCCUSの浸透を加えた「2大事業」を本格化。現在の事業計画の礎となっている。

     

     日建連では19年度のCCUS本格運用をにらみ、ロードマップを作成するとともに、タスクフォースを立ち上げて推進姿勢を明確化した。

     

     ただ、「建設業全体のスタートダッシュがうまくいっていない」ことで利用・登録が遅々として進まない状況に当時、「いまは日建連が孤軍奮闘しているのが実態。国土交通省にこのことを理解してもらい、他団体もしっかりやってほしいと要請しに行こうと思っている」ことを吐露。19年8月に開かれた日建連、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会と、国交省との意見交換会では、他団体の取り組み姿勢に言及した。

     

     半ば強引に業界全体の足並みを一致させようとする背景には、CCUSが「建設技能者の処遇改善の切り札」であるとともに、過度な価格競争が建設業の魅力低下を招いたという禍根を断つための「装置としても機能を発揮する」との思いがある。

     

     他団体に範を示し先導する意味でも「日建連CCUSモデル工事現場」を展開。そうした行動が国交省の「官民施策パッケージ」などに結実していく。このほか、建設業では初めて経団連の副会長に就任し、経済界での建設業の発言力を高めた。

     

     山内会長は15日の会見で、「在任期間中にCCUSを軌道に乗せられなかったことは非常に残念」としながらも、「CCUSに関する23年度の単年度黒字化は関係者を上げた取り組みによって実現する。日建連は21年度以降の新たな数値目標を設定するとともに、地方の建設業者の登録推進に向けて、各支部の支部長が都道府県に対してシステム義務化工事の試行を要望する」と、任期満了までシステム普及に尽力する方針だ。

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    掲載日: 2021年2月16日 | presented by 建設通信新聞

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